もう辞めたい。
そんな風に悩んでしまう、特に若手の薬剤師は案外多いもの。
私自身、慣れない環境で働いていた時は調剤過誤などを起こす事が多く、患者さんに迷惑を掛けてしまっていた事をよく覚えています。
こうしたミスって、「続く」んですよね。同じようなミスを何度もしてしまうんです。
過誤の無いように、ミスのないようにと思って仕事をしているのに、少しのミスを重ねてしまう。でも、周りのサポートや上司の指導に問題なければ、自然とミスは減って行くものです。
そうした「恵まれた環境」で働く事が出来ている薬剤師であれば、心配し過ぎなくて大丈夫。
しかし、ミスをしても怒られるだけ。報告書を書かされ改善点を自分で考えるだけ。そんな環境だと薬剤師として成長していく機会は奪われていきます。
※過誤をして「辞めたい」と感じてしまう時点で、組織としてのサポートが極めて手薄な可能性が高い
そして、あなたがまだ新卒薬剤師や2年目なのに、忙し過ぎる環境だと、ミスのループは続いてしまいますよね。
そう思ってしまうなら、これは環境が悪いです。いつしか、もう薬剤師の仕事は向いてないから辞めたい……とすら思ってしまうはず。それは絶対に避けたい所。
社会人として独り立ちするためには、先輩や同僚のサポートは欠かせないのです。
ただはっきり言えば、自信のカケラも無くなってしまう前に、研修・サポートの手厚い求人検索を「薬キャリエージェント」でしてみる事はしておいた方がいいでしょうね。
あとは病院なら薬局に転職する。調剤薬局でも過誤の起きる可能性が高い一包化や粉砕が多いとか小児中心とかなら、それ以外の「普通の内科」や「整形」の処方箋がメインのところで働くなど選択肢は多いです。
さて、この記事では「上司はただ怒るだけ。ミスばかりするし薬剤師の仕事を辞めたい」そう思ってしまった薬剤師に向け、少しアドバイスを紹介したいと思います。
ミスが多い薬剤師の原因は自分?
ミスって続くし、本当に自己嫌悪にも陥りますよね。いくら1年目、2年目の薬剤師だって、「薬剤師免許」をとったからには、薬剤師であることにはもちろん変わりありません。
薬剤師だって、他の仕事と同じで「仕事」です。
でも、他の仕事と違うのは「ミスから学んで成長していく」という事が許されないという事。まだ1年目だからごめんなさい、では済まないんです。
ミスには大きく分けて2つ。
- 技術的な間違い
- 薬剤師としての知識の欠如
どちらも本来ならば「まだ未熟だから」では許されない部分。
でも少なくとも「知識」に関しては、どうしたって習得するのには時間が掛かります。10年経験したって、アップデートを続けないとだめ。
もちろんミスはゼロには出来ません。でも「どんどん間違っていい!そこから学んでいけば大丈夫」なんていうスタンスで、薬剤師の仕事は務まりませんよね。
ピッキングミスなどであれば間違いのレベルとしては小さいものの、過誤を起こしてしまっては患者さんの健康にも影響を及ぼしかねません。
でもやっぱり、初めのうちはミスはつきものです。ただそこを周囲がサポートしてくれるからこそ、そこから学んで、少しずつミスの少ない薬剤師になっていく事が出来るんです。
その部分のサポートが無い職場と感じるならば、環境を変える選択肢も必要になってくるはずです。簡単に言うと、研修が充実していたり、薬剤師が比較的余裕のある職場に転職する事も検討する事が必要かもしれません。
ついついミスをしてしまうと自分ばかり責めてしまいます。もちろん自分の責任なんですが、成長を後押ししてくれる環境かどうかは将来を見据えると大切なポイントなんです。
今の環境が「先輩薬剤師に教えてもらえない」「研修が充実してない」と感じているなら、環境を変えるために転職を検討する薬剤師も多いはずです。
ミスは仕方がない部分もあります。ただ少なくとも、成長していける環境にないと安心して薬剤師業務を続けていけないことは間違いないありませんよね。
そうした「薬剤師として働く安心感・キャリア」を頭に入れつつ求人探しをしたいなら、薬キャリエージェントのキャリアアドバイザーに相談してみる選択も大切。もちろん相談は無料です。
今の職場でミスばかり。成長しないなら、「環境に原因がある」ケースは割と多いからです。
今の職場で、この先10年後も働いていると感じますか?転職といっても流れを理解すれば心配は無用。以下の記事も参考にしてみてください。
薬剤師の過誤の責任の所在と対策
「過誤」と言うと、基本的にそのミスを起こした「一人の薬剤師」「管理薬剤師」に責任が求められれます。薬局であれば、基本的に患者さんに投薬した薬剤師という事。
ただ、調剤の流れではどの段階であれミスは発生しますよね。処方箋鑑査、薬のピッキング、一包化、軟膏の混合などを経て、最終鑑査から投薬の流れです。
一部誤解してる薬剤師もいるんですが、処方箋に最後に押印するのは「投薬した薬剤師」です。つまりそこで責任が生まれてくるんです。
ただ勿論、鑑査ではどうしても発見出来ない過誤もあります。例えば、散剤の充填ミスがあったとしても、それを鑑査の段階で発見するのはかなり難しいです。
ミスが減らない薬剤師も多い
本来なら経験を積んで自然とミスは減ってくるもの。ただ、何年経ってもミスが多い薬剤師は意外と多いです。
あなたが10年調剤経験があるのにミスばかりというのであれば、残念ながら薬剤師としての適性があまり無い可能性もあります。
もちろん薬剤師には調剤以外にも仕事があって、例えば企業(製薬や化粧品会社)の管理薬剤師など、年収は決して高くは無いものの別の道を探す事もできます。
もう若手とは言えない薬剤師ならば、そうした求人に強い薬キャリエージェントなどで探すのも一つの方法かもしれません。
薬剤師がミスを減らすためには?
今いる環境で「ミスを減らす努力をしたい」そう思う薬剤師もきっと多いはず。
例えば「湿布を渡し忘れた」というミスをしてしまった場合、またすぐ同じ事を繰り返してしまう事って結構あります。同じミスを続けてしまうのは結構つらいですよね。
ここ10年で調剤ミスを減らすような鑑査機器が多く誕生しました。
ヒートのバーコードを読み取って取り違いを防いだり、散剤や一包化の中身を鑑査したりなど、一昔前では無かったものが多いです。
ただそれも「ミスを減らす」事に繋がりますが、どうしたったゼロにすることは出来ません。
じゃぁどうしてミスが少ない薬剤師は少なく出来たのか。それは「意識」の問題です。いきなり精神論みたいになりましたが、結局の所それに行き着きます。
きちんと手順どおりに調剤をする、ミスを心に刻んで繰り返さないようにする、それがすべてです。
薬局であれば業務手順書が備えてあるので、しっかりとまずはそれをマスターし実践すること。ミスって結構多くの場合、イレギュラーな手順をとった事によって発生するからです。
※そもそもなんですが、業務手順書って何?という職場で働いているなら、かなり考えものです。必ず業務手順書は備えなくてはいけないものなので、そうした意識が希薄な薬局は要注意。
本当にミスが原因でつらくて辞めたい薬剤師なら
基本的には「ミスが多い」という事に向き合う事はもちろん大切です。薬剤師として注意して、改善していくっていう方向が一番です。
ただ、気をつけるだけではどうにもミスの多さが改善しない事というのも、また事実。
その原因を職場環境「だけ」にしてしまうのは良くないかもしれませんが、成長しやすい環境で自分の薬剤師としての力を高めるという事は決して悪いことではありません。
薬剤師の職場の一例
本当にミスがあまりに多すぎて、でも周囲のサポートも手厚いならば今の職場に留まり成長していくのは選択肢として大切。
一方で、自分が調剤に向いていないと思うのであれば、薬局や病院以外の転職先も探していくことが必要かもしれません。
また、「薬局」「病院」は、かなり職場間での仕事に対する温度差が大きいケースがほとんどです。管理者やスタッフなど人によって差が生まれてきます。
例えば「大手チェーン薬局」とひとくくりにしても、ひとつの店舗で働いている人って少なければ2~3人、多くても10数人程度がほとんどですよね。
もっとも薬局なら店舗の異動も出来るかもしれませんが、自分からミスが改善しないのは今の薬局が悪いとは言いだせないものです。
風通しがよい職場で、異動したいという申し出が可能であれば、そう上司に打診してみる事も必要ですね。
転職を考えるなら
大手チェーン薬局などでは、そもそも「研修に力をいれています」と採用段階でアピールしているケースがほとんどです。しかしそれも始めだけで、すぐに実際に働く現場次第になってきます。
配属された薬局の管理薬剤師や、その他薬剤師スタッフを選べる事は出来ませんよね。病院ももちろん同じです。
本当なら薬剤師としてミスを減らしていくためには、その薬局で十分に適切な指導が行われる事が必要。それが行われなければ、薬剤師として成長していく事が難しい状況になってしまいます。
転職した事がない薬剤師だと知らないかもしれませんが、転職活動の場合は、実際に「働く所に見学に行く」「そこのスタッフと話す」そうした事が可能です。
もちろんハード面(鑑査機器の充実度など)も大切ですが、ソフト面(人)はやはり大切です。働きやすさにも関わってきますよね。
人間関係の良い環境でしっかりと薬剤師としての技能を身につける環境を、自分の目で見ながら選ぶ事が出来るのです。これってネットの求人情報だけでは分からない事。
もし薬剤師としてのミスが多くてつらく、それで環境を変える事が必要だと感じるなら、上記の点に注意して転職活動する事を意識する事がポイントになりますね。
でも、ただ叱責されるだけ、成長させてくれる職場と言えないなら、環境を変える事も必要になってきます。
転職を考えるなら「見学」を通じて、ハード・ソフトとも働きやすい所を見つける事が可能。
しっかりキャリアアドバイザーと求人を探したいなら、薬キャリエージェントを利用するのがベスト。