処方箋の「薬剤師氏名」は投薬者・鑑査者どちらが押印記名するの?

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処方箋の取り扱いって悩みますよね。薬剤師によって解釈が違って、困ることが多いです。

特に調剤済みとなった処方箋の薬剤師名を、投薬者・鑑査者どちらが記名押印するのかって、かなり薬局によってマチマチの運用をしているケースも多いです。

なぜ「マチマチか」と言うと、「個別指導で私はこう言われたから」という論理が独り歩きしてしまい、それが正しいと周囲に伝わってしまうから。

そもそも薬剤師って、マイルール作る人多くて困りませんか?「私がこう経験したからこれが正しい」みたいな。

そんな事もあり、例えば小さい規模ののチェーン薬局であれば、そのルールに沿って内規で運用してしまうのです。

記名するのは投薬した薬剤師?鑑査者?

どの薬剤師が記名をするかですが、そもそも処方箋へ記載するべき事項として、薬剤師法第26条、同施行規則第15条に記載があります。

以下、抜粋です。

薬剤師は、調剤したときは、その処方せんに、調剤済みの旨(その調剤によつて、当該処方せんが調剤済みとならなかつたときは、調剤量)、調剤年月日その他厚生労働省令で定める事項を記入し、かつ、記名押印し、又は署名しなければならない。


参考
薬剤師法e-Gov法令検索

「調剤したときは」って、どの薬剤師のこと?

この「調剤」の意味が詳しく書いてないので、混乱が生じていますよね。

  • 薬を調整した薬剤師
  • 鑑査した薬剤師
  • 服薬指導(投薬)した薬剤師

例えば上記は、いずれも「調剤」の流れに含まれます。

処方箋に記名するのは「責任薬剤師」

そもそもですが、服薬指導し投薬後、処方箋に初めて押印が出来ます。つまり、調剤済となるわけですね。

このあたりもマイルールで鑑査した薬剤師が先に押印するようなケースを聞きますが、まだ調剤が完了していないのに記名・押印している時点でルールからは逸脱しています。

ですから、鑑査者が押印するのは本来違いますし、調剤の手順としておかしい事です。

関東信越厚生局の集団的個別指導では、はっきりと「投薬・服薬指導した薬剤師が記名すること」とアナウンスされています。

 

それ以外の薬剤師が押印しているケースが散見されるそうですが、それは違うという事です。

 

こうした事は通知でも出されていないので、注意が必要ですね。

もちろん個別指導で「どの薬剤師の記名でもいい」なんて言う指導をされた経験がある薬剤師の話もよく聞きます。

ただ、その経験をもって「鑑査者で良い」とするのは誤りです。

鑑査薬剤師が責任者じゃないのか?

鑑査した薬剤師と投薬する薬剤師が違うケースって割と多いはずです。「後で取りにきます」と言って処方箋をおいていった患者さんに投薬する場合など。

ヒート調剤なら投薬時に再鑑査も出来ますが、一包化や散剤では改めてその場で再鑑査は難しいですよね。

鑑査してないけど投薬したとき、全部の責任を負うのは納得出来ないな。

そういったケースでは、別にトーレス表などを用いて、どの薬剤師が何の役割を果たしたか明確にしておく事が大切になってきます。

  • 薬剤を調整した薬剤師
  • 鑑査した薬剤師
  • 服薬指導した薬剤師

こうした事を明確にしておけば、大した問題は起きません。

薬は正しいものを渡していても、誤った服薬指導で事故を起こしてしまう事だってあります。その場合に「鑑査した薬剤師の名前」が投薬後に記名された処方箋では、今度はまた違った問題が生じてしまいますよね。

こうした事はしっかりと業務手順書に定め、薬剤師個人の思惑で運用する事のないようにしたいものです。

まとめ
鑑査者が記名押印しているケースでは、投薬前に行っている事が想定され、調剤の手順として誤り。

 

服薬指導・投薬をした薬剤師が記名・押印を行う。

 

どの薬剤師が何の役割を担ったか、トレース出来る状況にしておく事が大切。

もちろん個別指導で「私はどちらでも良いと言われた」というケースもあるでしょう。ただ少なくとも、服薬指導した薬剤師が記名する事が誤りでは無いはずです。

しっかりと服薬指導・投薬後に記名を行っているか?それが出来ていないのであれば、そもそも運用の仕方が間違っていると言えるでしょう。

「後会計を行っていない」「受付時に調剤済印を押してしまう」など、調剤の流れの基本すら出来ていない薬局すら今だに存在しているのが現状なのです。