人間関係の悩みは、誰もが一度は経験するものです。仕事の悩みランキングでも、必ず上位にランクインしています。
人間関係の悩みが深刻になってくると、転職を考えるきっかけにもなってしまいますよね。
薬剤師も例外ではなく、とりわけ、調剤薬局に勤務している薬剤師は人間関係に悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は薬局の人間関係がつらく、転職を考えている薬剤師はどうすればいいのかについて考えていきましょう。
逆に言えば、人間関係さえ良ければつらい仕事も頑張れる時がありますよね。今の職場で人間関係に悩んでいる人が、少しでも楽しく働けるようになれば幸いです。
今の薬局は早めに見切りをつけ、ストレスの少ない職場に転職した方が自分のためです。
「マイナビ薬剤師」や「薬キャリエージェント」などのキャリアアドバイザーに相談し、ホワイト求人を探してもらいつつ転職活動を始めてみましょう。
なぜ薬局薬剤師は人間関係でつらいと思いやすいのか？
そもそも、どうして薬局の人間関係に悩む薬剤師が多いのでしょうか。その原因として、「薬局の人間関係は濃密になりやすい」ということが挙げられます。
ここでは、薬局の人間関係が濃密になりやすい理由を探っていきましょう。
1.同僚が少ないから
薬局は、とても狭い世界です。一般的な会社では、考えられないくらいの狭さです。小型店舗だと、2人きりの職場なんてこともあります。
職場に10人も同僚がいれば、かなりの大型店と言えるのではないでしょうか。それでも、一般的に見れば「人の少ない職場」です。
そんな狭い職場に、苦手な人が1人でもいれば目につきやすいのも仕方ありません。分母が小さいので、当然ですね。
苦手な人の存在が、際立ってしまいます。そういう意味で、人の少ない職場では人間関係に悩みやすくなってしまいます。
また、同僚がたくさんいる職場であれば、苦手な人がいたとしても、気の合う人も見つけやすくなります。
気の合う人が職場にいれば、気持ち的にも楽になりますよね。相談できる人を見つけにくいというのも、人間関係で悩みやすくなってしまう原因のひとつではないでしょうか。
2.閉鎖空間だから
薬局は、一般的なオフィスに比べると超閉鎖空間です。人の数が少ないだけでなく、単純に、職場の面積も狭いです。
同僚とすれ違う時に、毎回ぶつかりそうになるくらい狭い薬局もありますよね。
ただでさえ、閉鎖空間ではストレスが溜まりやすいとされています。そのうえ、狭い調剤室では常に同僚が視界に入ります。
苦手な人がいれば、1日中その人の存在を感じながら仕事を進めなくてはいけません。
たとえば、相手がピリピリしたオーラを放っていたら、視界に入るだけでもストレスになってしまいます。これは結構、つらいことですよね。
また、薬局には自分のデスクなんてありません。もちろん、仕事中に調剤室から出るわけにもいきません。
ちょっとでも落ち着ける空間やタイミングがないので、何かあった時に精神的に追い込まれやすくなってしまいます。お互い、冷静になることが難しいのです。
3.同僚との関わりが多いから
薬局薬剤師の仕事は個人プレーのようにも見えますが、連携が欠かせない部分も多いです。
薬のことでちょっと自信がない時に相談したり、自分が取り揃えた薬の監査をお願いしたり。案外、チームワークが大切な仕事です。
毎日、調剤室で薬剤師同士、声をかけ合って仕事をしていますよね。同僚と一言も喋らずに仕事を進めるのは、ほぼ不可能です。
また、薬局には社員食堂や広い休憩室なんてありません。加えて、処方元である医療機関の昼休憩に合わせて、休憩時間が全員同じタイミングだったりもします。
すると、休憩中も狭い部屋で同僚と一緒に過ごさなくてはいけません。住宅街にある薬局だと周りに飲食店もなく、どこにも逃げ場がないこともありますよね。
このように、業務時間内から休憩中まで同僚と関わる機会が多いので、人間関係に悩みやすくなってしまうのではないでしょうか。
4.女性が多いから？
薬剤師は、女性の割合が多いです。男性よりも女性のほうが、人間関係がこじれやすいようなイメージがありますよね。
最近では「男性脳」「女性脳」という言葉も聞かれるようになり、脳の性差が明らかになってきています。女性脳タイプの人は、男性脳タイプの人よりも、ちょっとした変化を察知しやすいとされています。
他人のささいな言動を気にしやすいというのも、人間関係に影響を与えてしまう恐れがあります。
相手にその気はなくても「ちょっとトゲのある言い方に聞こえた」とか、「大きな音を立ててドアを閉めていたから、機嫌が悪いのかも」とか、そんなことを気にしすぎてしまうのかもしれませんね。
良くも悪くも、女性は相手に気をつかってしまう人が多いのではないでしょうか。
もちろん、全ての女性が女性脳タイプの思考を持つわけではありません。反対に、男性であっても細かな配慮ができる人は大勢います。
なお、薬剤師として、細かいことに気がつくのは良いことです。患者さんのささいな変化には、敏感でありたいですね。
「マイナビ薬剤師」や「薬キャリエージェント」で働きやすい求人探しをして、人間関係のつらさから逃げる事は大事です。
薬局の人間関係がつらい時、どうする？
さて、薬局で人間関係に悩んでいる時、あなたならどのような行動を取るでしょうか。考えられる3つの選択肢を挙げていきましょう。
1.苦手な相手が職場を去るまで耐える
まず、耐えるという選択肢です。苦手な相手が店舗異動になったり、女性であれば産休に入ったりするタイミングをひたすら待ちます。
薬剤師は転職する人も多いので、もしかしたら、相手が転職して会社から去ることもあるかもしれませんね。
ただ、経験上、厄介な人ほど辞めません。
本人は自由に振る舞っているので、ストレスが少ないからでしょう。振り回されてしまった周りの優しい人たちが続々と辞めていく、なんて光景を見たことがある人も少なくないのではないでしょうか。
相手が去るタイミングは読めないので、根気が必要になります。また、自分の運命を他人の行動にゆだねることになるので、あまりおすすめできません。
2.店舗異動を願い出る
次に、店舗異動を願い出るという選択肢です。同じ会社に在籍したまま、人間関係を一新するチャンスがあるのが薬局の良いところです。
チェーン展開している薬局であれば、可能性はあります。
正直に、上司に人間関係の悩みを打ち明けてみましょう。
実際、相性が合うかどうかは個人差が大きいです。そのため、店舗間でちょっと人を入れ替えたら上手く落ち着いた、なんてことも意外とあります。
あなたの「苦手な人」は、誰かにとっては「気の合う人」かもしれません。
ただ、必ずしも異動の希望が通るとは限りません。かかりつけ薬剤師制度の導入以降、店舗異動は減った会社も多いのではないでしょうか。
また、中小規模の会社では、基本的に店舗異動はないという薬局もあります。確実性がやや低い選択肢かもしれませんね。
3.転職する
最後に、転職するという選択肢です。この場合は、しっかりと職場見学をさせてもらえればリスクが少なくもっとも有効な手段です。
注意点としては求人だけ見て「ここで良いかな」と即決で転職しないこと。なぜなら、職場の人間関係は求人票からだけでは分からないからです。
精神的に追い込まれてしまった場合は逃げ道として転職を検討しましょう。薬局で働くこと自体がトラウマになってしまっては大変です。
また、小規模薬局で経営者との人間関係が悪化してしまった場合も、働きづらくなってしまいます。経営者の存在は無視できないものなので、関係性の修復が難しい場合は転職を考えてもいいでしょう。
人間関係の良い薬局に転職するには？
人間関係の良い薬局に転職するためには、どうすればいいのでしょうか。残念ながら、結局のところ人間関係の良い薬局に転職できるかどうかは運次第です。それでも、最低限できる対策を考えていきましょう。
1.キャリアアドバイザーに相談する
転職サイトのキャリアアドバイザーに「前職では人間関係に悩んでいたので、人間関係の良い職場に転職したい」という希望をとりあえず伝えてみてください。
キャリアアドバイザーとしても、求職者と転職先のミスマッチは避けたいもの。
多少は人間関係を考慮した求人を紹介してくれるはずです。とはいえ、職場の人間関係を把握することは、内部の人間でなければ難しいということは念頭に置いておきましょう。過度な期待は禁物です。
2.何度も求人募集をしている薬局は避ける
たまに見かけるのが、何度も求人募集をしている薬局です。特に、給料や営業時間などほかの条件は悪くない場合は要注意です。
もしかしたら、人間関係に問題がある可能性があります。
理由については確証が持てませんが、何かしら良くないところがあることは間違いありません。避けておいたほうが無難です。
3.薬局に偵察に行く
可能であれば、営業時間中に転職先の候補である薬局を偵察しに行ってみてください。患者さんの少ない時間帯に、従業員同士が仲良く喋っている様子が見られれば少し安心できますね。
反対に、ピリピリした空気が漂っていたら警戒したほうが良いかもしれません。雰囲気だけでも事前につかんでおきましょう。
薬局の人間関係を良くする方法
ここで、ちょっと別の角度から考えてみましょう。人間関係を良くするために、現在の職場でもできることはないでしょうか。
他人の言動は変えられないので、自分の気持ちや行動を変化させるほうが建設的です。職場の人間関係を良くする方法をいくつかご紹介します。
1.挨拶を大事にする
よく、「挨拶は人間関係の基本である」と言われています。毎日当たり前のようにするものなので、職場での挨拶がおろそかになっていませんか？
とにかく、挨拶を大事にしてみてください。具体的には、相手の目を見て挨拶をしたり、「〇〇さん、おはようございます」と挨拶の前に相手の名前を呼んだりすると効果的です。
簡単なことなので、明日からでもすぐに始められますね。
気持ちの良い挨拶をする人は、どんな職場でも好かれやすいです。そして、不思議なことに、自分まで気分が良くなってくるので試してみて損はないでしょう。
2.相手を好きになる
人間は、自分に好意的な相手ほど受け入れやすいものです。そのため、まずは相手を好きになることから始めてみてください。
反対に、苦手な相手に対しては、無意識のうちに警戒した態度をとってしまいがちです。すると、相手もそれを察知して、どんどん関係性は悪化していってしまいます。
苦手な人をいきなり好きになることは難しいかもしれません。せめて、「嫌い」という認識は捨てましょう。
人間関係は、最初が肝心です。新しい人が入ってきたり自分が転職したりした時は、初めて会う人をまずは「好き」と思い込んでみてください。
3.仲間意識を持つ
相手を好きになることが難しければ、少し想像してみてください。苦手だと思っている人と、今の職場以外で出会っていたら関係性はどうなっていたでしょうか。
お互い薬剤師であるという共通項があります。自分と似た性質の人には、自然と親近感を抱きやすいものです。もしかしたら、外で出会っていれば仲良くなれていたかもしれませんよね。
薬剤師同士は、全員仲間だと考えると気が楽です。基本的には、同じような志を持つ人たちの集まりであるはずです。
薬局だと、薬剤師がいることが当たり前なので、共通項として認識しづらいかもしれませんね。
また、薬剤師に限らず同じ会社の人も同様です。たまたま同じ会社に興味を持って、入社してきた仲間です。
仲間同士でいがみ合うことに、何の意味があるのでしょうか。会社全体で、同じ方向を向いているという意識を持つことが大切です。
4.相手を頼る
人は、誰かから求められることに喜びを感じる生き物だそうです。薬局では同僚同士の距離が近いことを利用して、相手をどんどん頼ってみましょう。
「この処方どう思いますか？」「この容量、〇〇さんだったら疑義照会しますか？」などと聞いてみると良いですね。
薬局では、同僚に話しかけるチャンスはたくさんあります。年上や、自分よりも経歴が長い相手には特に有効です。
ただし、何でもかんでも聞きすぎると「少しは自分で考えて」と疎ましく思われてしまうので注意しましょう。
5.相手を褒める
自分のことを褒められて気分が悪くなる人は、あまりいません。とにかく相手を褒めてみましょう。苦手な人にも、どこか良いところがあるはずです。
その人自体に良いところが見つからなかったら、相手の持ち物や衣服を褒めてみるのも手です。
薬局で白衣を着ていると私服はあまり見えないので、女性同士だったらメイクを褒めるのも良いですね。相手が年下であっても有効な手段です。
6.損得勘定をやめる
損得勘定は、時に人間関係に亀裂をもたらします。自分の損得を基準に動きやすい人や、他人に見返りを求めやすい人は、特に注意しましょう。
よく見るのが、独身や子なしの人と子持ちの人との不和です。
「子持ちの人ばかり休みの希望が優遇されている」「独身の自分ばかり遅番を押しつけられている」などというように、独身や子なしの人が不満を抱きやすいです。
薬局はシフト制の勤務であることが多いので、シフトの不公平感が目立ちやすいのかもしれません。事実、子持ちの人が優遇されている例は多いです。それでいて、子供を理由にされたら文句も言えません。
そんな時に、損得勘定ばかりで物事を考えるのはやめましょう。世の中は、助け合いです。
自分にもいつか子供ができるかもしれないし、急な体調不良で今後シフトを代わってもらうことになるかもしれません。
ただ、損得勘定を抜きにしても明らかに自分だけ不当な扱いを受けていると感じる場合は、上司に相談しましょう。
7.悪口を言わない
基本中の基本ですが、職場の人の悪口は言わないようにしましょう。驚くことに、大人になっても人の悪口が好きな人はいるものです。
悪口の話に巻き込まれそうになったら、決して同意はせずに話題を変えましょう。下手に同意してしまうと、そこだけ切り取られて本人に伝わってしまう可能性があります。
悪口は言わない、参加しないのが鉄則です。薬局は狭いので、噂はすぐに広まってしまいます。十分に注意しましょう。
8.割り切る
言ってしまえば、同僚とは仕事上の付き合いです。無理に仲良くなる必要はありません。業務上、最低限の関わりだけにとどめて割り切るというのも手です。
職場で自分だけ浮いているような気がしている人も、悩む必要はありません。問題なく業務が行えていれば、それで十分なのです。
薬局の人間関係に悩む薬剤師に【まとめ】
薬局の人間関係がつらく、転職を考えている薬剤師はどうすればいいのかについてまとめてみました。
誰もが抱えうるのが、人間関係の悩みです。
でも、「せっかくなら人間関係の良い職場で働きたい」と願うのも全員同じはずです。状況を改善するために、自分にできることは何か考えてみてくださいね。
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しっかり対処して、早めに人間関係のストレスから開放されたいものですね。