転職活動の進め方には、大きく分けて2種類あります。
「今の職場で働きながら転職活動をする」パターンと、「退職してから転職活動をする」パターンです。
どちらも一長一短ありますが、次の職場が決まる前に仕事を辞めることに抵抗があるという人も多いのではないでしょうか。
しかし、急な引っ越しや体調変化などによって、次の職場が決まる前に退職せざるを得ないこともありますよね。時には、不満が爆発して突発的に退職してしまった、なんてこともあるかもしれません。
そこで、薬剤師が退職後から上手に転職活動するコツについてお伝えします。
薬剤師が退職してから転職活動を行うメリットとは?
まず、退職してから転職活動を行うことのメリットについて考えたことがあるでしょうか。意外と悪いことばかりではありませんよ。
1.リフレッシュできる
退職してから転職活動を始める一番のメリットは、十分にリフレッシュできることではないでしょうか。
もし、在職中に有給休暇を満足に取得できていなかった場合は、退職を機に全て消化するようにしましょう。次の職場が決まっていないので、期間を気にすることなく取得できますね。
薬剤師として働いていると、一般的に長期休暇を取ることは困難です。貴重な機会なので、存分に休暇を満喫しましょう。
思いっきり趣味の時間に費やすのもいいですし、今後のキャリアプランを見直す時間にあてるのもいいですね。
次の職場で働き出すまでに、リフレッシュしておくことは大切です。その間に、新たな趣味が見つかることもあるかもしれませんね。
2.場合によっては採用で有利になる
また、場合によっては退職後に転職活動を開始した方が転職で有利になることもあります。既に退職している薬剤師の場合、在職中の人と違って入社日に制限がありません。
即日入社が可能なため、採用する側が早期入社を希望している場合、マッチングする可能性が高くなります。
病院や薬局など、すぐに人手が欲しいと思っている職場も多いでしょう。「急募」の文字を見かけた時は、チャンスです。
そのほか、前任者から業務の引き継きがある関係で、「何月何日までに入社できること」という条件を出している会社も少なくありません。
薬剤師の場合は、引き継ぎが必要な企業内管理薬剤師の求人で特によく見られる条件です。
そういった求人にも問題なく応募することができるのは、退職後から転職活動をしている人の強みであると言えるでしょう。
3.転職活動をスムーズに進められる
毎日の仕事と並行しながら転職活動を行うことは大変です。採用する側と予定が合わず、なかなか選考が進まないということもあるでしょう。
その点、退職していれば選考にあたって曜日や時間に制限がありません。面接の日程調整などもスムーズに進みます。
特に、薬剤師が多く働く調剤薬局や病院だと、面接の日程調整がどの日でも可能なのは採用側からしてもありがたいのです(採用担当者も忙しいですからね)。
転職活動を最優先することができるのも、退職後ならではのメリットですね。
薬剤師が退職してから転職活動を行うデメリットとは?
もちろん、薬剤師が退職後から転職活動を行うことにはデメリットも伴います。
1.ブランクが発生してしまう
ブランクが長くなると、採用の際に不利になることもあります。条件のいい職場を見つけたのに、ブランクが原因で応募できなかったり断られたりするのはもったいないですよね。
薬剤師の場合、求人票には書かれていなくとも、裏では「ブランク〇年まで相談可能」と具体的に制限を設けられていることも。
ちなみに、即戦力が求められる派遣薬剤師の求人では、「直近まで薬剤師として働いていた方」という条件が出されていることもあります。
ブランク不可ということは、中途採用の教育にまで気が回っていないということでもあるので注意が必要です。会社として、教育体制が不十分である可能性も考えられます。
2.収入が途切れてしまう
一度退職すると、当然ながら収入は途切れてしまいます。と言っても、薬剤師であればそれなりの給料は得ていたはずです。いきなり無一文になるという人はあまりいないでしょう。
しかし、徐々に貯金が減ってくると精神的にも不安定になっていきます。退職してから転職活動を行う場合は、ある程度の貯金がある状態が望ましいですね。
3.妥協しやすくなる恐れがある
無職の期間が長くなればなるほど、焦りが生じてしまうもの。そのため、「とりあえず早く働かなくては」と、条件に合っていない職場に転職してしまう可能性が高まります。
薬剤師の求人検索は、「空きを待つ」ようなものです。なかなかタイミングが合わないこともあるでしょう。
そんな時に焦って妥協をしてしまうことは避けたいですね。
薬剤師が退職後から転職活動するコツ
それでは、薬剤師が退職後から上手に転職活動をするためには、どうすればいいのでしょうか。
転職サイトを活用する
まず、薬剤師向けの転職サイトを活用してみましょう。それも、複数のサイトに登録することをおすすめします。時間もあるので、それぞれのキャリアアドバイザーと直接話をしましょう。
メールよりも電話や面談の方が、こちらの考えが伝わりやすくミスマッチを減らすことができます。
キャリアアドバイザーからの電話にも積極的に対応しましょう。その中で、相性のいいサイトを見つけてください。
一人で焦っていても何も始まりません。転職のプロに、頼れるところは頼りましょう。
基本的に大手の「マイナビ薬剤師」や「薬キャリエージェント」あたりを利用すれば、転職活動についてはスムーズに行くはずです。
情報収集を怠らない
転職関連の情報収集はもちろん、薬剤師としての情報収集も欠かさないようにしましょう。
たとえば、「〇〇のジェネリックが発売された」とか「××が自主回収になった」など、薬剤師として働いていたら遭遇していたであろうニュースには常にアンテナを張っておきましょう。
退職後も、薬剤師としての自信を失わないことが大切です。自信のなさは態度に出るものなので、面接官にも見抜かれてしまいます。
何より、情報収集を続けていれば次の職場でもスムーズに働くことができますよ。
自分の足で職場を探すのもアリ
調剤薬局やドラッグストアなど、オープンな職場への転職を希望している場合は自分の足で職場を探すという手もあります。
退職後なら、時間をかけて偵察に行くことが可能です。営業時間内に職場候補を見に行けば、混み具合や働いている人の雰囲気など、なんとなく把握できますよね。
「自分もここで働いてみたい」と思ったら、キャリアアドバイザーに問い合わせてみると募集の有無を確認してくれます。
運良く募集をしていれば、自分で選んだところなので納得感のある転職につながりやすいですよ。
まとめ
薬剤師が退職後から上手に転職活動するコツについてご紹介しました。
働きながらの転職活動よりも、不安が多く焦りも感じやすいかもしれません。
しかし、人は追い込まれてこそ力を発揮できるもの。強みを生かし、理想の職場を見つけましょう。