総合病院で働く薬剤師のつらい事って何?就職活動で注意するポイント

本サイトのコンテンツには、アフィリエイト広告を掲載しております

総合病院で働く薬剤師って大変そう。でも何がつらいのか知りたい!

長期実務実習や病院見学で学生さんからよく聞かれる事は、「総合病院で働いて、つらい事とか大変だと思う事って何ですか」です。

やっぱり実際働いてる本音の部分が気になりますよね。

病院って何となく大変そうだけど、「つらいことって何だろう」って私も学生時代思っていました。そこで自分の体験を踏まえ、つらいと感じた3つの事についてお話します。

もちろんどの病院にも当てはまることでは無いですが、就活で病院を検討している学生さんは少し参考にしてみてください。

病院で働く薬剤師の、リアルな声を紹介します!

決して病院だけしか働いた事がない経験談ではありません。

 

はじめは調剤薬局に務め、そこから病院に転職しています。

基本的に病院はお給料が安い

薬剤師って、まぁまぁの給与がもらえると信じてる学生さんはたくさんいると思います。

それだからこそ、奨学金を利用し薬学部に通っている学生も多いはず。

でも!病院薬剤師は本当に給与が安いです。

たまに「病院薬剤師でもこんなに年収を貰ってる」みたいなのも目にしますが、鵜呑みにしない方が良いです。

特に、新卒で入職したばかりだと調剤薬局やドラッグストアで働く友達と比べて年収で100万円以上差があるなんてのもザラ。これは正直にいってかなりつらいです。

卒後の初めての夏、みんなで集まってご飯に行った時に、持ち物の差にびっくりしたのは懐かしい思い出です。

元々の性格もあるはずですが、給与がいいよーと言っている人は持ち物もちょっと良くなっているんです。そりゃ、それなりの給与がもらえたら欲しいもの買いますよね。

病院勤務をはじめたばかりの頃の私は、調剤薬局時代と比べると給与が少し下がったこともあり学生時代とあまり変わらない生活水準で暮らしていました。そんな時に、仲間内の同窓会に参加したところ、いい暮らしをしている友達がほんの少し羨ましくなりました。

そして、お給与が安いというつらさは職場を辞める理由の一つでもあります。

可愛い後輩との当直中のこと。

「実は、冬のボーナスの後に辞めようかと思っているんです。」と打ち明けられました。「突然だねぇ〜。遠距離中の彼氏と進展あったの〜?」なんて探りを入れたら、「プロポーズされたんですけど、そもそも私の結婚資金があんましなくて、奨学金もあるし、1年間派遣でお給料の高いとこでお金稼いでから籍を入れることにしたんです。」と言われました。

「優秀な人だからいなくなるのは寂しいなぁ。」と率直な感想を伝えたところ、「仕事も人間関係も好きなので、本当に給与の問題だけなんですけどね〜。」と返されてしまい、何も言えませんでした。

やっぱり、お給料が安いというのは病院薬剤師のつらいところです。

ちなみに、このお給料が安い問題は、大きな病院の主任クラスになれば多少は改善することもあります。でも生涯賃金で考えるとどうしても少なくなってしまうので、受け入れるか転職するか副業をするかなんです。

病院で働くか保険薬局か、はたまたドラッグストアか。その選択ってとても難しいですね。

病院薬剤師としてやりたかった仕事がなかなかできない

突然ですが、病院薬剤師ってどんな仕事をしているイメージですか?

治験や病棟業務、DI業務などをイメージする人が多いような気がしますが、実際はセントラル業務もあれば、製剤室なんて業務もあります。

就職先として病院を選ぶ人の多くは、何かしらの夢だったり、憧れる業務だったりがあることも多いのですが、現実は希望するやりたい仕事ができないことも多いです。これがつらい。

私の場合は、救急病床での病棟業務が希望の仕事でした。入職して最初の面談で、思い切って上司に希望を伝えました。

すると、「今は経験年数が若いから希望する所には移動させられない、そのうちに可能であれば、その仕事をさせたいが、全ての人の希望を聞いていたらキリがないので多分無理だ。」という返事がきてしまったのです。

「就職面接の時と話が違うじゃないか」とちょっとイラッとしつつも、自分なりに理由を理解しようと試みました。

しかし、無理と言われると心がどんよりとして何でこの病院に就職したんだろう、つらいなぁと感じていました。

自分の希望が通らないというのは、病院で働く薬剤師の人数が多ければ多いほど、そうした傾向にある事が多くなってきます。

あくまで私の周りの情報ですが、確かにみんな各々が好き勝手に仕事内容を希望したら、そりゃ職場全体がうまく回らないですし、やりたいことだけをさせるわけにもいかないというのは、何となくわかります。

それでも、薬剤師としてやってみたいことがあるからという理由で病院という職場を選んだので、当時の私はモチベーション下がりまくりで、なかなか浮上できませんでした。

目標を持って働き始めたのに、その仕事に携われないと理想と現実のギャップで苦しみますよね。

モチベーションを取り戻したきっかけは、それでも希望を失わずに働き続けていたら、ひょんなことから想像もしていなかった面白い仕事がふられたことでした。

今思い起こせば、あのままだったら早々に転職したかもしれませんね。

ちなみに、それから1年後の人事異動で後輩が救急病床での病棟業務になり、話が違うじゃないかと上司に抗議をしに行きました。人事って運の要素もあると思いますが、納得出来ないですよね。

数年経った今もその仕事はできていませんが、時々ある面白い仕事を楽しみに、与えられた役割をきちんとこなしています。今後も希望は捨てずにチャンスがきたらすぐに掴み取りたいなぁと虎視淡々と狙っています。

病院薬剤師として長く働いていくためには「自分の理想」を持ち続ける事が大事ですね。

総合病院はとにかく忙しい

薬剤師業界はどこの職場でも人手不足で忙しいとはよく言いますが、総合病院は特に忙しいです。体力勝負な一面もあり、つらいなぁと時々感じます。

私の職場は外来も院内処方のため、どこの部署にいても外来が忙しくなるとセントラル業務から呼び出されます。

調剤薬局の時もそうでしたが、外来で待たされてイライラした患者さんが見えると、冷や汗がでます。きっと診察でもかなり待たされただろうし、急がないとなぁとなるのですが、病院の場合はそのピーク時間が長いんです。

最長で外来部署から10時から12時半過ぎまで呼ばれたこともあります。1年を通してみると、年度初め・大型連休前後・お盆前後・正月休み前後。

処方箋枚数が増えたり、長期間処方が大量に出たりするとどうしても人手がいるので、薬剤師同士で協力するのは当然なんですけどね。

そんなふうに呼び出しもありつつ、病棟からの依頼を受けつつ、チーム医療関係の会議やら回診やらに出つつ、服薬指導しつつ。そのため、患者さん一人ひとりに向き合うのは大変です。

仕事量減らないかなぁとはしょっちゅう思います。量はこなせないこともないのですが、単純に時間が足りないんです。薬剤師不足でもあるかもしれませんね。

回診や会議など、職場を見渡すと要領がいい人もいます。そのため私が能力が足りてない可能性もありますが、必然的に効率よく仕事をする術を学ばなければなりませんでした。

調剤薬局も薬歴がたまると忙しいような気がしていたのですが、今の病院の場合はとめどなく仕事が湧いて出てくるので、回診準備なんかは業務後や業務前に回ってしまい、あまりにも忙しいと閉口してしまいます。これは正直つらいです。

また体力的にも辛いなぁと思うのが、当直や休日出勤です。

普通に日勤をした後に、当直すると翌朝は何となくお肌の調子がイマイチ。翌日に美容室を入れておくと、「お疲れですか?」なんて聞かれることも多く、体力がもっと欲しいなぁと感じています。

体力の問題というより、単純に忙しすぎなような気もしますけどね……

突発的に薬剤師として試されているようなことも多いので、当直自体は好きですよ。

総合病院で薬剤師として働くために

これまでお伝えしたように、私が総合病院で働いていてつらいなぁと感じるのは、お給料が安いこと、自分のやりたいことがなかなかできないこと、とにかく忙しいことでした。

  • 年収が低い
  • やりたい仕事が出来ない
  • 忙しすぎる

もちろん人それぞれ、ライフステージが異なったり、つらいと感じることは異なったりするので、これが全てではないと思います。

長期実務実習や病院見学で学生さんから聞かれたら、これ以外にも包み隠さずお話ししています。同時に、楽しいことや自分なりにつらさを解消する方法も伝えています。

どこの職場に行ってもつらいことが多少はあるよ、とも。

薬剤師としてやりたいこと、プライベートでやりたいこと。どっちも大事にしつつ、今日もいい日だったなぁって振り返れる毎日を送りたいですね。