社会人としても薬剤師としても、一歩踏み出したばかりの薬剤師1年目。長かった学生生活も終わり、環境はガラリと変化します。
そんな薬剤師1年目は、人生に一度きり。どう過ごすかによって、今後の薬剤師人生を左右するかもしれない大事な期間です。
そこで、薬剤師1年目にしておくべきことをお伝えします。少し参考にしてみてください。
1.とにかくよく学ぶ
薬剤師1年目は、薬剤師国家試験の合格からまだ日が浅く、豊富な知識を持ち合わせています。折角の知識を損なわないよう、とにかくよく学んでください。
やっと国家試験が終わったのに、もう勉強なんて当分の間したくないと思うかもしれません。しかし、薬剤師になってからが新たな勉強のスタートです。
まず、社内外の勉強会には積極的に参加するようにしてください。特に、臨床経験が豊富な医師の話を聞く機会は貴重です。勉強会のお知らせには常にアンテナを張っておきましょう。
職場で自ら勉強会を企画するのもおすすめです。やる気のある新人は可愛がられやすいという、嬉しいオマケもありますよ。
また、自己学習には書籍を用いること。インターネット上には不確かな情報が多いもの。鵜呑みにするのは危険です。
さらに、人から学ぶことも大切です。わからないことがあれば、どんどん先輩に聞いてみましょう。
年を重ねるにつれて、わからないことがあっても、素直に人に聞くことは難しくなっていきます。
2年目以降、後輩が入ってくれば質問を受ける側にもなります。若いうちにたくさん質問をして、自分の財産にしていきましょう。
そして、先輩の服薬指導をよく聞くのもおすすめです。使えると思ったフレーズは盗むようにしていくこと。
薬歴も同様です。先輩が書いた薬歴をよく読んで、わかりやすい書き方を真似していく事が大事ですね。
2.同期との絆を深める
案外大切なのが、同期との絆を深めておくことです。たまたま同じ年に同じ会社に就職した同期は、無条件で仲良くなれる貴重な存在です。
学生の頃は、同学年の仲間がたくさんいるのは当たり前のことでした。
しかし、新卒入社の同期は、恐らく「同期」と呼べる最後の仲間となります。転職する際に、同期入社の人がいる可能性は低いからです。いたとしても、年齢や経歴は異なることでしょう。
当然、仕事の辛さは、薬剤師以外の友人には理解されづらいもの。
そんなとき、同じ境遇の相談しやすい相手がいることは、非常に大きな支えとなります。また、仕事でわからないことがあっても、同期になら聞きやすいですよね。
もちろん、同期だからといって必要以上に群れる必要はありません。お互いを高め合える存在になれたら理想的ですね。
薬剤師は、幸いなことに出世争いが起こりにくいので同期とは比較的仲良くなりやすいです。
たとえば「管理薬剤師のポジションが同期で1枠のみ」なんてことはないですからね。同期を出し抜く必要がありません。
ちなみに、薬剤師は何らかのタイミングで留年や浪人を経験している人も少なくありません。
あなたがストレートで資格を取得した場合、同期だからとがっつりタメ口で喋っていた人が、後から年上だったと発覚することはよくあります。ちょっとだけ気まずい瞬間ですね。
3.人生について考える
若いうちに、人生について本気で考えてみてください。薬剤師になることを目標に掲げていると、その先のことまでは具体的に考えていなかったという人も多いのではないでしょうか。
しかし、これから先の人生の方がはるかに長いです。薬剤師、そして社会人として、何を成し遂げたいのか考えるようにしましょう。
たとえば、調剤薬局に就職した場合、ゆくゆくは管理薬剤師になって1つの店舗で長く勤めたいのか、それともラウンダーとして多くの店舗を駆け回りたいのか。あるいは、採用や人材教育など、本社の業務に興味がある人もいるかもしれませんね。
その際、広い視野を持つことが大切です。
薬剤師だからといって、働く場所は病院や保険薬局にこだわる必要はありません。自分のやりたいことが叶えられる職場をじっくり探してみてください。
もちろん、プライベートを重視して働きたい人もいるでしょう。それも1つの価値観です。働きながら、仕事やプライベートで実現したいことを見つけていってください。
4.お金の勉強をする
社会人1年目は、お金の勉強をするには丁度いいタイミングです。
社会人になると、初めて正社員として給与明細を手にするはずです。学生時代にアルバイトをしていた人は、給与明細自体は見たことがあるでしょう。
しかし、正社員の給与明細は少し複雑です。支給額以外に目を向けると、さまざまな税金や保険料を引かれていることに気がつきます。
どの項目がどれくらい引かれていて、どのように使われているのかを正確に把握できている人は多くありません。
給与明細の見方は、早めに理解しておくことをおすすめします。特に、健康保険料は仕事にも関わりの多い部分なのでぜひチェックするようにしましょう。
また、薬学部は学費が高いので、学生時代に奨学金制度を利用していた人も多いかもしれません。無理なく返済できるよう、計画を立てておくことも大切ですね。
5.好きなことを見つける
理系の中でも、特に勉強量が多いとされている薬学部。
薬剤師の中には、学生時代は勉強しかしてこなかったという人も多いのではないでしょうか。サークル活動はおろか、趣味の時間さえも確保できなかったかもしれません。
特に薬剤師国家試験対策には、多くの時間を割いていた人も多いはずです。
そんな中、社会人になると、学生の頃よりも意外と自分の時間があることに気がつきます。もう、テスト勉強やレポートの提出期限に追われることもないのです。
趣味と呼べるものがあるといいですね。自分が何をしているときに楽しいと感じるのか、自己分析してみてください。
仕事以外に夢中になれるものを持つことは、仕事にもいい影響を与えます。リフレッシュできる時間は大切です。些細なことでもいいので、自分なりの好きなことを見つけてください。
まとめ
薬剤師1年目にしておくべきことをご紹介しました。
最後にもう1つ。大事なのは、初心を忘れないことです。薬剤師1年目の気持ちをどこかに書き留めておきましょう。
いつの日か、薬剤師として働くことが辛いと感じる日がくるかもしれません。そんなときに見返すと、初心を思い出させてくれるきっかけになりますよ。