一人薬剤師(管理薬剤師)がつらい!調剤薬局で働く上でリスクがあるケースは?

本サイトのコンテンツには、アフィリエイト広告を掲載しております

一人薬剤師って、何年経験があっても結構つらいもの。世の中には薬剤師として1年目にさせるような一部大手チェーンもあるみたいで、そんなケースならなおさらです。

世の中には「どんどん経験を積んだほうが良い」という人がいます。確かに、一般的な企業とかならそうかもしれません。

でも調剤薬局で一人薬剤師をするのは、若手だとかなりリスクも高いです。ストレスでつらいな、そう感じる人も多いはず。

一人薬剤師はつらくて逃げたい……

そんな風に思う薬剤師に、一人薬剤師のリスクや、どういった働き方がおすすめかを紹介していきたいと思います。

一人薬剤師(管理薬剤師)のつらい部分

まず前提として、決して「一人薬剤師の薬局で働く」という事自体は、否定しません。薬局の処方箋枚数が20数枚程度であれば、どうしたって薬剤師一人じゃないと利益が出づらいからです。

特に、薬局を独立開業するケースは一人薬剤師の場合が多いため、立ち上げは自分が経営者&管理薬剤師として薬局を運営していくケースがほとんどです。

ただ、自分が経営者であるのと、一社員として働くのでは訳が違いますよね。手にする収入が大きく違いますし、自分の意志で決めたかどうかの部分も大きいです。

一人薬剤師が出来る力量があるか?

これはあなた自身が一番良く分かる部分だと思いますが、自分が一人薬剤師をこなせる力量があるかどうかは、しっかり見ておかないとリスクが高いです。

処方箋枚数が少ないから忙しくない、という事ではありませんよね。

100枚の処方箋を3人の薬剤師で捌くより、20枚を1人の方がつらかったりします。それなりに経験が有っても、トラブルに悩むケースも出てくるのが普通。

少なくとも、1年目、2年目の薬剤師に管理薬剤師として十分な力量があるケースはほとんど無いと言えます。よほど優秀なら別ですが、これは断言出来ますね。

まだ若手の薬剤師に「間違えながら成長していけばいい」という人がいますが、管理薬剤師の場合、1つのミスが重大な事故に繋がります。

 

知らなかったので……では済まないという事。

 

成長するために必要なのは「1人薬剤師としての経験」じゃなく、サポートしてくれる上司や同僚です。

そもそも「調剤報酬改定」「薬価改定」を始めとしたイベント、数年に1度の免許の更新など、数年は薬剤師として経験しないと、聞いたことすら無い重要な業務は山程あります。

もちろん1年目の薬剤師だって、状況によっては一時的に管理薬剤師をやらざるを得ない状況も生まれるかもしれません。

ただ、例えば急に保健所の調査が入ってまともに対応出来るのか?というと、極めて難しいのが現状ですよね。

ちなみに私が働くチェーン薬局は、おおむね5年程度を目安に管理薬剤師を任せるという体制です。一人薬剤師をそんな若手になど、論外ですね。

一部の調剤併設ドラッグストアでは、若手であっても一人薬剤師をさせる事もあるらしいのが現状。理想と現実は違います。

まだ20代などで就活をやり直したいなら、「薬キャリエージェント」で働きやすい求人を探して見るのがおすすめ。働きがいは大切ですよね。

一人薬剤師だと細かい対応も難しい

特にクレームなどの部分ですが、やっぱり一人薬剤師だと不安に思う薬剤師が多いように思います。

電話につかまってしまったら患者さんが来ても対応出来ないし、不足薬・疑義照会など、細かい業務にミスが生じてしまう可能性も高まります。

  • 調剤過誤
  • クレーム

ある程度経験を積んでいて、その薬局の状況をよく理解していれば対応は出来るかもしれません。でも、経験の浅い薬剤には難しいものですよね。

一人薬剤師で働く事のメリット・デメリットは?

とは言え、ある程度経験のある薬剤師ならば一人薬剤師として働く事にはメリットもデメリットもあります。

経験の浅い若手薬剤師にはおすすめできない働き方ですが、ある程度経験を積んだなら、環境によっては選択しても良いと言えるかもしれませんね。

一人薬剤師で働くメリット

メリットの一つとして、ある程度仕事がこなせる薬剤師ならば、一人薬剤師勤務は細かい人間関係に悩むような必要性が大きく減る事です。

一人薬剤師の店舗は、基本的には薬剤師1人と、事務が1~2人で働くケースが多くなります。

薬剤師同士だとどうしても人間関係のこじれなどが発生する事も多い中で、そうした悩みに悩まされる事が少ないのは大きなメリットの一つですよね。

もし経験がそれなりにあって、一人薬剤師が嫌だなというのが先入観だけの場合ならば、せっかくいい環境で働ける可能性を潰してるかもしれません。

打診されて、即答で「一人薬剤師は嫌だ」と返す前に、どういった薬局かだけでも確認する事が大切かもしれませんね。

また、年収面でも「一人薬剤師をやるので年収上げて欲しい」という交渉も出来るはずです。大手チェーンだとまず無理ですけどね。

一人薬剤師で働くデメリット

デメリットとしては、仕事上のつらさを抜きにすると以下のような事が上げられます。

  • 有給休暇が取りづらいケースが多い
  • 事務との人間関係次第

基本的に薬剤師が一人ということもあり、有給休暇はかなり取得しづらいと思って間違い無いです。

1週間有給休暇を取得するとして、例えばチェーン薬局なら他の店舗からのヘルプが必要になってきますよね。

もちろん首都圏など同じ会社の薬局が複数あるならまだマシかもしれませんが、それでも正社員1人を1週間ヘルプは厳しいもの。遠慮がちな薬剤師だと、有給は取りづらいかもしれませんね。

また人間関係の部分では、メリットとして「複雑にならないから楽」とも書きました。ただ、もし一緒に働いている事務スタッフとの相性が悪かったらかなり最悪です。

もともと働いているお局事務などだったりすると、ストレスを感じながら働く形になってしまいます。もちろん、仕事が出来る事務スタッフと一緒なら、とても働きやすいのですが。

一人薬剤師が向いてる人・向いてない人

メリット・デメリットがある働き方ですが、一人薬剤師が向いているのはどういった人でしょうか。

自分が特徴に当てはまれば、そうした働き方もポジティブに捉え、経験としていく事が出来ますよね。

一人薬剤師に向いてるタイプ

まずは、薬剤師としてバリバリ働きたいなら、一人薬剤師は割とおすすめです。特に出世欲があるなど、将来はエリアマネージャーになりたいという人には「経験の一つ」としていいかもしれません。

また、年収を上げる交渉材料になるため、一人薬剤師を経験しておくことは転職にも有利になります。薬剤師の仕事であれば、一通り何でもこなせる事に繋がりますからね。

今はワークライフバランスを意識した働き方が求められる世の中です。残業規制。有給取得。

ただ一方で、若いうちにいっぱい働いて経験を積みたい!という薬剤師だっているはずです。

もちろん仕事のし過ぎには注意が必要ですが、「休みよりも仕事が今は大切」と思うなら一人薬剤師業務はとても向いていると言えますね。

もちろんそこまで忙しい薬局ばかりではないでしょうけれど、暇な店舗であったとしても自分の取り組みたい事にどんどん自由に取り組める環境である事はプラスに捉える事が出来ます。

一人薬剤師に向いてないタイプ

経験が浅い薬剤師はそもそも向いてませんが、何か困った時に自己解決する能力が弱いタイプの人は、一人薬剤師には向いてないと言えるでしょう。

基本的には自分で責任を負って仕事を進めていく必要があるので、小さな事で悩んでいる暇はありません。

仕事を大局的に見て優先順位をつけながら課題解決していく、そうした事が出来ないと、日々少しのトラブルで行き詰まってしまう可能性がとても高いです。

ただ自信が無いとしても、多少調剤経験がある薬剤師ならば、そうした環境によって育てられる部分もあるのも事実。30代も過ぎてまだ自分に自信が無いような薬剤師であれば、挑戦するのもアリです。

需要がある「一人薬剤師可」の転職

これまでどういった薬剤師が、一人薬剤師に向いているか、仕事で気をつける部分はどこかなど、ざっと触れてきました。

一人薬剤師って「慣れ」の部分が大きくて、多少経験のある薬剤師ならば自分のペースで仕事が出来るし、薬剤師同士の人間関係を気にしなくて良いし、楽な面もあるのです。

ただ、どうしても「嫌!」という薬剤師が多いのが現状です。

そのため、一人薬剤師勤務OKという場合は、転職市場ではニーズが高く、年収面でも期待のできる条件になってくるケースが多いです。

繰り返しですが、大手チェーンなどではいくら一人薬剤師だって年収は横並びです。上司のサポートも無いため、若手には厳しいもの。

そんな働き方をするなら、たとえば同じ一人薬剤師でもより高い年収を期待する事も出来ます。あるいは、薬剤師人数が充実した薬局で働く事も、特に若手のうちは大切でしょう。

あなたが今どういった立場・人間関係で働いているかにもよりますが、一人薬剤師を任されるという事は「客観的にそれなりに仕事はできそう」と思われている裏返しかもしれません。

今の薬局で働き続けるのか。あるいは自分の価値見出してくれる、働きがいのある仕事を選ぶのか。

自分の正社員としてのキャリアを考えるなら、薬キャリエージェントのキャリアアドバイザーに相談するのも大切。第三者目線で、将来を考える切っ掛けに出来るかもしれませんね。