同一薬局内での薬剤師給与格差問題|年収に差が生まれる理由

特に大手チェーン薬局、つまりM&Aを積極的に推し進める会社に多いんですが、同じような仕事内容なのに給料に非常に大きな差があるケースが多いです。

つまり「同じ40歳で管理薬剤師」なのに、Aさんは年収500万、Bさんは年収700万円など。

これって年収が低い側からするととんでもない話で納得出来ませんよね。ただ、こうしたケースはかなり多いのです。

なぜ薬剤師給与に差が出るか

薬剤師の年収格差

一番簡単な例で説明すると、やっぱりM&Aが説明しやすいです。

例えば私が小規模の薬局で年収700万円で働く薬剤師だとします。それは、割とありえる年収といったところ。

働いている中で、急に吸収合併の話が出た場合、基本的には「大手チェーン薬局」とくっつきますよね。

会社がひとつになるわけですから、本来なら合併先の大手チェーンの給与規定に統合されるはずですし、実際合わさるケースも多いです。

ただ、もし自分の年収が「来年から大手のうちに合わせて500万円です」となった場合、ほとんどの薬剤師は退職してしまいます

年収面もそうですが、そうした事務的な処遇を冷たいと感じたり、大手チェーンは働きづらいと感じたりする薬剤師は多いですからね。

もし薬剤師の大量退職となった場合、大手チェーン側としても新たな薬剤師を雇用しなくてはなりません。場合によっては派遣薬剤師で繋がざるを得ないケースもあるでしょう。

そうすると結果として採用コストや派遣コスト、また年収500万円水準では(40歳の管理薬剤師だと)転職で採用する事は難しいですよね。

そのような理由によって、あえて給与規定は統合しても年収ダウンはさせず、そのままの年収を維持するということが多いのです。

※といっても、保険薬局の経営が厳しくなるなか、近年では容赦なく年収を切り下げる事も増えています。

話をもとに戻しますが、このような経緯によって、同じ薬局で働く薬剤師において、大きな年収格差が生じる事になるのです。

また根本的な話として、安易な年収切り下げは、たとえ吸収合併で給料規定が統合されても出来ません。

薬剤師の雇用条件が変わるのをそのまま受け入れる必要は無いという話 薬剤師の雇用条件が変わるのをそのまま受け入れる必要は無いという話

薬剤師が低い年収で働いていても分からないカラクリ

このように、同じ仕事をしているのに年収を低く抑えられて働いている薬剤師は多く、客観的には冷たい扱いをされているとも言えます。

本来なら、M&Aで年収が高い人と一緒に働くなら、それに合わせて年収を上げる事が、そこで働く薬剤師にとって一番ですからね。

でも一番の問題は、年収が低いまま働いている薬剤師は、他の薬剤師がそこまで年収が高く働いているとは知らない事。

「お給料いくらですか」なんて会話しませんよね。他人の年収て分からないんです。

でも一つだけ言えるのは、大手チェーンで真面目に新卒から働いている薬剤師の年収が、一番損をしている状態だということ。これはほぼ間違いないです。

残念ながら、薬剤師って転職で年収が上がっていくのが現状です。いくら同じ会社でスキルを身に着けても、報酬という形では返ってきにくいのです。

中小規模の薬局で働く→転職して中小規模の薬局。こうした働き方が、「年収」という面に関しては一番恵まれています。

もちろん、大手チェーンに転職したって、年収なんかまず上がる訳はありません。

とは言え、働き方の面だったり、薬局の機器、福利厚生などを考えれば大手が悪いという事もありません。安定性もありますからね。

10年後を考えれば、多少年収が低くても安定性を重視したい気持ちは心情としてよく分かります。

なおかつ、一部の薬剤師は「お金にそれほど困ってない」層も割といるのが現状です。

薬剤師が低い年収を上げるには?

まずは自分の年収が適正なものかどうか知ること。つまり、転職して簡単に100万上がるような状況であれば、かなり安く働かされている状態です。

もちろんこれは、例えばネットでググったりしても分かることではありません。「平均年収」というのも、都心部と地方で大きく変わってきますしね。

「東京都内の薬局」と言ったって、23区内か、西多摩郡(地図緑・水色部分)かでもかなり大きく差がでます。下図だと、青丸の中は年収が低めです(あくまでイメージ)

※町田市は東京都に区分されています(2021年現在)

  • 年収重視
  • 働きやすさ重視

これは、相反するものではありません。大手チェーンの中には、年収が低い上に働き甲斐がないような会社も少なからず存在します(というか、ほとんど)

一番働く上での融通が利くのは、個人薬局なんですが、あまり小さい薬局だと「福利厚生がない」「社会保険じゃない」など、色々と長く働く上では支障があるのも事実です。逆にそこを手厚い年収でカバーするイメージですね。

だいたいイメージでいうと、地域に根ざして展開している30薬局くらいのチェーンが、働きやすさ・年収ともにバランスが良いと言えます。

これより小さくてもいくらでも働きやすい薬局はありますが、そこはもう面接や見学して情報を得るしか無いです。

こうしたところに目星を定めて、あなた自身の市場価値(つまりは転職でどれほどの年収が見込めるか)を把握することが、適正年収を得るために大切な事です。

もし求人探しをしても、エージェントから「年収50万円アップが精一杯」と言われるケースもあるでしょう。

それはその時に、それでもありがたいと思い転職するか、あるいは踏みとどまるか考えれば良い事ですね。

年収50万円アップといっても、月に4万円以上の収入増ですから、結構大きいです。

以上のように、あなた自身が「安く働かされていないか」それは薬剤師として働きはじめて2年、3年経ったなら、きちんと把握しておくべきです。将来のためですね。

ちなみに私は、年収が200万上がるとしても転職しません。あくまで「働きやすさ・やり甲斐と年収のバランス」ですかね。あと人間関係。

 

これを言ったらおしまいですが、結局は今の職場に不満がある人は年収に関わらず転職するし、満足してるなら転職しません。

決して「ダメ元」という訳ではないですが、薬剤師で年収に不満を抱えたまま働いているくらいなら、一度求人探しをして客観的な自分の価値は把握しておくこと。

それが、この先10年、20年と長く生活にゆとりをもって働いていくためにとても大切な事ですね。

転職を検討するなら求人数の多い「マイナビ薬剤師」「薬キャリ」などに登録して、少し求人紹介してもらうこと。

結果として転職を選択しなくても、それは問題ない話ですからね。

▶ マイナビ薬剤師

▶ 薬キャリ

薬剤師が年収を上げるのは、意外と簡単なケースも多いのが現状です。ただ5年後、10年後は分かりません。

でも同じ薬局で、低い給料で働いているなんてバカバカしいですよね。同じ責任を負って働くからには、それ相応の給与は絶対的に必要なものですから。