関西の学生さんで薬学部を目指そうと思った時に大学選びには迷いますよね。
関西だけで薬学部を持っている大学は20を超えており、それぞれに特徴があります。どこを重視するのかによって選ぶ大学は変わってくるので、自分に合った大学を選びたいところです。
そこで、今回は関西の薬学部でおすすめの大学と選ぶポイントをご紹介します。関西で薬学部を目指している学生さんはもちろん、家族揃ってぜひ参考にして下さいね。
関西の薬学部を選ぶ時のポイント
一般学部と薬学部では大学を選ぶポイントが全く違います。一般学部では就職のためになるべく偏差値の高い大学に入った方が有利です。
しかし、薬学部では薬剤師免許を取得することがメインとなり、偏差値はあまり関係がありません。
「偏差値で選ばないならどこで選ぶの?」と疑問を持った人もいることでしょう。まずは、関西の薬学部を選ぶ時のポイントについて解説していきます。
大学の歴史
薬学部選びでは、大学の歴史が重要になってきます。なぜなら、最近薬学部の新設ラッシュが続いており全国的に薬科大が増えているからです。
このまま薬科大が増え続ければ、薬学生の人数はどんどんと増えていきます。しかしながら、薬剤師国家試験の合格率は年々低下傾向にあるのです。
厚生労働省も、薬剤師の質が低くなってしまわないように、薬剤師国家試験の難易度で薬剤師の質を維持、または向上させていくと予想されます。
すると、人気のある大学と人気のない大学に分かれてしまい、二極化が進んでいくことは間違いありません。
そのような状況で人気のない大学に入ってしまうと、母校が閉校してしまうという可能性が出てきます。
閉校してしまったからといって、卒業して国家試験に合格していればほとんど影響はありません。しかし、在学中に閉校になってしまったら大変です。
大学が閉校してしまうのではないかと6年間もヒヤヒヤした気分で大学生活を送るのはイヤですよね。卒業までは責任をもってくれますが、後味が悪いです。
それに自分が卒業した大学がなくなってしまうのは、なんだか寂しいという人が多いかと思います。そのため、歴史が長く伝統のある大学を選ぶのがポイントです。
関西には100年を超える歴史を持った伝統校がたくさんあります。
設立されてから何年経っているのか、確認してあまりに日が浅い大学は避けた方が無難といえます。
薬剤師国家試験の合格率
薬学部に入ったからには薬剤師国家試験に合格しなければ意味がありません。そのため、薬剤師国家試験の合格率が高い大学を選ぶのがポイントです。
平均の合格率を超える大学はたくさんありますが、合格率だけを見るのではなく細かい数字を追っていかないとホントの姿は見えてきません。
まずは、出願者数と受験者数と合格者数に注目しましょう。この数字は厚生労働省のサイトから見ることができます。
上記URLにアクセスして「過去の薬剤師国家試験の結果」という項目から閲覧可能です。
一般的に言われている合格率とは受験者数に対してどれくらいの合格者数なのかを表しています。しかし、出願者数と受験者数が大きく異なる大学もあります。
その理由は、合格の見込みがない学生は卒業試験で不合格にして卒業させず、国家試験の出願はしたものの実際に受験することができないからです。
出願者数と受験者数の差が少なく、合格率の高い大学を選ぶのがポイントです。
さらに細かい数字を追って納得感を持ち大学を選びたいという学生さんは、6年前の入学者数も確認してみましょう。
これによって、何人入学して何人が国家試験を受けることができて最終的に何人が合格したのかがわかります。
入学人数に対して受験者数がかなり少ない場合には、留年や退学が多く進級するのが難しいということがわかりますね。細かい数字を負っていって真の国家試験の合格率を確認するのが重要です。
学費
一般学部と薬学部を比較した時に一番違いが学費です。薬学で勉強するためには高い学費を払わなければなりません。
それに、一般学部では4年で卒業できますが、薬学部は高い学費を6年間も払う必要があるのです。6年間の総額は10,000,000円~14,000,000円と大学によって幅広いです。
なるべくなら安い学費の大学を選びたいですよね。
しかし、学費が安いと何か裏があるのではないかと疑ってしまいたくなる気持ちもわかります。学費の内容をしっかりと確認することが重要です。
最近では特待生制度が用意されている大学も出てきました。優秀な成績を収めて試験に合格した学生に対して学費や入学金の免除を行なう制度です。
学費だけを考えれば、国立大学に行くのが一番です。しかし、国立大学は受験科目が多く難易度も高いので入学するのは難しいですよね。
私立薬学部の受験科目だけなら高得点を取る自信があるという学生は、偏差値の高い大学に行きがちです。
もちろん、学歴社会の日本において偏差値の高い大学には学費以上の価値があるため魅力的です。
ところが、薬剤師免許を取得できれば偏差値はこだわらないというのであれば、特待生として入学して学費の免除を受けるというのも選択の一つといえます。
いくら日本学生支援機構の奨学金を借りたとしても、6年間の学費全てを奨学金とアルバイトでまかなうのは大変です。
まかなえたとしても、いざ薬剤師になった瞬間に多額を返済していくことになります。そのため、親御さんからの支援は欠かせません。
親に全額負担してもらう、奨学金を借りる以外にも特待生制度を利用するという選択肢も考慮して家族で話し合うのが重要ですね。
関西のおすすめ薬学部3選
薬学部を選ぶ時にはこれまで紹介したポイントを抑えて、自分の状況に合わせて総合的に考える必要があります。
その中でもバランスが優れている3校をご紹介しますのでぜひ参考にして下さいね。
京都大学
関西で薬剤部に行くならばトップである京都大学がオススメです。京都大学は世界の大学ランキングにも上位に入っており、世界にも通用する大学といえます。
国内でも東京大学と肩を並べる優秀な大学で、日本で京都大学を知らない人を探す方が難しいです。京都大学は、国立大学なので学費を抑えることができます。
また、薬剤師免許を取得する以外にも研究職として活躍できる可能性が高いです。
しかし、京都大学に入学するのはかなり狭き門であるといえます。
中学、高校と受験戦争に勝ち抜き大学受験でも勝ち抜いた猛者達が集まっている天才集団であるため、簡単に入学することはできません。
私立大学と比較して受験科目も多いため、どんな科目でも高得点が取れる優秀な学生さんならば迷わず選びたい大学です。
神戸薬科大学
学費を重視するなら神戸薬科大学はオススメの大学です。神戸薬科大学は6年間の学費総額が約11,000,000円なので比較的安い分類に入ります。
「神戸薬科大学と同じくらいの学費の大学はたくさんあるじゃないか」と言う意見がある人もいることでしょう。
確かに、神戸薬科大学と学費が変わらない大学は複数あります。
それでも神戸薬科大学がオススメなのは交通アクセスが良いからです。
交通アクセスが悪い大学であれば、通うことができずに一人暮らしの必要があるため費用が嵩みます。
交通アクセスの良い神戸薬科大学であれば、遠方の場合でも通学が可能です。
通学定期券と一人暮らしの費用、通学にかかる時間を考慮すると神戸薬科大学でお得になる人は多くなります。自宅からの距離で費用の比較をして考えていくのが重要です。
京都薬科大学
伝統のある京都薬科大学はオススメの大学です。京都薬科大学は1884年に設立されており、130年以上の歴史がある伝統校です。
「関西三薬」と呼ばれる人気のある薬学部の一つであり、関西の私立薬学部の中ではトップクラスといっても過言ではありません。
歴史ある大学であるため、これまで多くの卒業生を輩出しており就職が安定しています。
研究職にも就職窓口があるため、大学に入ってから病院や調剤薬局で働くのではなく研究がしたいとなっても対応可能です。
当然、大学が閉校になってしまうという可能性は極めて低いため安心して通うことができますよね。
学費も総額約11,000,000円と比較的安い分類に入っていますし、国家試験の合格率も高い水準です。
京都薬科大学は、薬学部選びのためのポイントが全て詰まっているので、候補には必ず入れたい大学ですよね。
関西の薬学部おすすめ【まとめ】
薬学を選ぶには、さまざまなことを考慮しなければなりません。薬学部の新設ラッシュによって、特待生制度など学生に有利に働く制度も出てきています。
しかし、大学選びに失敗してしまうと将来母校がなくなってしまう可能性さえあります。全ての要素を考慮して自分に合っている大学を選ぶことが重要ですよ。