テクノロジーの発達により、さまざまな仕事で機械化が進んでいます。
家庭でも食洗機や全自動洗濯乾燥機、ロボット掃除機など、これまで人間がやっていた家事を機械がやってくれています。家庭だけでなく、みなさんの職場でも同じ事が起きていることでしょう。
AIやロボットに仕事を奪われてしまう職種が予想されるなど話題になっています。
そこで、今回は薬剤師の仕事がAIに奪われてしまう将来は来るのかについて解説していきます。
薬剤師の仕事がAIやロボットに奪われてしまう将来は近くまで来ている
薬剤師の仕事の一部がAIやロボットに奪われてしまう可能性は高いです。しかし、全部の仕事がAIに奪われてしまうわけではありません。
どんな仕事がAIに奪われてしまうのか気になりますよね。薬剤師の仕事の中でAIに奪われてしまう仕事をご紹介します。今の自分の仕事を振り返りながら、ぜひ参考にして下さいね。
単純作業はAIやロボットが得意
ロボットが得意なのは単純作業です。人間は、単純作業を続けていると疲れてきてミスが出てしまいますが、AIやロボットはミスなく長時間単純作業をするのが得意です。
薬剤師の仕事でいえば、ピッキングや一包化調剤などはAIの方が適しています。これらの仕事はAIの方がミスなく長時間稼働できるので有利ですよね。
今でも設備投資に積極的な病院や薬局では、自動ピッキングマシーンや自動分包機などを導入しているところも多いでしょう。
また、これまでグレーとされていた薬剤師以外によるピッキングも研修をすれば問題ないことが明言されましたね。テクニシャン制度を導入して、調剤の補助をしてくれる人材を求める求人も増えてきています。
さらに、過去の薬歴データから併用禁忌や重複チェックをするのもAIの方が優れています。
これまで薬剤師がやっていた仕事の中で「薬剤師でなくてもできる仕事」「ヒューマンエラーがでやすい単純作業」がAIに奪われていくと予想されます。
複雑な作業は人間
人間が得意なのは複雑な作業です。患者さんの表情や声のトーンから雰囲気を読み取って、患者さんが話しやすい環境を作るなどAIには難しく、人間でなければできない仕事です。
患者さんの中には、病気や薬に関する悩みをなかなか話してくれない人もいます。最初は、緊張からそのようになってしまうのは仕方ないですよね。
しかし、何度も顔を合わせて投薬をしているうちに、緊張も解けて悩みを打ち明けてくれるようになるケースも多いです。信頼関係が構築された証拠でもありますね。
こうなると、それぞれの患者さんに合った薬についてのアドバイスをすることができるため患者さんのQOL向上にも役立ちます。
このような複雑な仕事は人間の方が優れており、AIには奪われないと予想されます。
単純作業ばかりの薬剤師はAIに仕事を奪われる
今の職場で、どのような業務が中心ですか?調剤を中心とした業務をしている薬剤師は、危機感を持つ必要があります。
そのような業務は、現在でも機械や一般スタッフに奪われつつあります。設備投資をあまりしていない病院や調剤薬局では、そのような業務も薬剤師がやっているかもしれません。
しかし、今は高価な設備も時間が経過するにつれて価格が下がっていくので、遅かれ早かれ仕事を奪われます。薬剤師としての価値を出せていない薬剤師は仕事を奪われてしまうのです。
薬剤師の価値は、薬学に関する専門的な知識です。その知識を活用して患者さんに適切な医療サービスを提供するのが仕事です。
単純作業ばかりしていると薬学に関する専門的な知識も徐々に忘れてしまうことでしょう。
まずは、専門的な知識をもう一度勉強して、その知識をどう使えば患者さんの満足度が上がるのかを考えるのが重要です。
AIやロボットに仕事を奪われない薬剤師の特徴
薬剤師の仕事の中にもAIやロボットに奪われてしまう仕事とそうでない仕事に分かれます。せっかく薬剤師になったのだからAIに仕事を奪われてしまうのは悔しいですよね。
そこで、AIに仕事を奪われない薬剤師の特徴をご紹介します。長く薬剤師として活躍したい人は、ぜひ参考にして下さいね。
コミュニケーションに長けている
どんな仕事をする上でもコミュニケーションスキルが重要です。薬剤師の仕事の中でもコミュニケーションスキルが必要となる仕事があり、このような仕事はAIには奪われにくいです。
これは、調剤報酬改正の内容からも読み取ることができます。
単純作業で算定ができる調剤料は下がり続けていますが、コミュニケーションスキルが必要な薬剤服用歴管理指導料やかかりつけ薬剤師指導料などは上がっています。
厚生労働省からも薬剤師には対物業務から対人業務へのシフトチェンジを求められているのです。そのため、コミュニケーションスキルはとても重要なのです。
薬剤師の中には、シャイなので初めての人と話すのが苦手という人もいることでしょう。
コミュニケーションスキルは、生まれ持った先天的なスキルではなく、これからでも身につけることは可能です。コミュニケーションスキルを身につけて、薬剤師として長く活躍したいですよね。
在宅医療に精通している
2025年問題を解消するために、薬剤師にも在宅医療の参加することが求められています。団塊の世代が、後期高齢者になる2025年に向けて、これからも在宅医療の需要は高まっていくことでしょう。
この分野に関しては、これからも調剤報酬と介護報酬の両面から手厚い報酬を受け取ることができるでしょう。
患者さんの家に持っていく薬の調剤は少数の薬剤師とAIやテクニシャンが中心となり、患者さんへの対応は多数の薬剤師が対応していくことでしょう。
そのため、在宅医療に精通している薬剤師は、これからも生き残っていくことができると予想されます。
デジタルツールを使いこなしている
プライベートでも進化のスピードが激しいデジタルツールを使いこなしているデジタル派もいれば、よくわからないので使わないというアナログ派もいることでしょう。
当然ながら、デジタルツールを使いこなしている薬剤師の方が生き残れる可能性が高いです。
今でも自動分包機、電子薬歴、医薬品在庫管理システムなど使いこなしている薬剤師が多いです。未だに紙薬歴で、旧型の分包機しか使ったことがない薬剤師は危機感も持つ必要があります。
これは病院や薬局側の問題なので、薬剤師がどうこうできる問題ありません。設備投資をしてもらえるよう相談してみるか、無理なら転職も視野に入れた方が良いのかもしれませんね。
すでに、これだけデジタル化が進んでいるのに、それを使いこなせないとなると仕事を効率的に進めることができません。
AIもツールの一つであると認識して、AIを使いこなせる薬剤師になれば仕事を奪われる心配はないのです。プライベートから最新の技術に興味を持つ姿勢が必要です。
その上で、いざAIが職場に導入された時には、AIを使いこなして味方にしてやろうという心意気で仕事できると良いですよね。
まとめ
テレビでは、AIやロボットが人間の脅威になるかのように扱われることが多いです。しかし、AIとは言ってもただの便利なツールに過ぎません。
これまで、適当に仕事をしていた薬剤師にとっては脅威となりますが、真面目に仕事をしている薬剤師にはむしろ味方となってくれます。
AIやロボットに仕事を奪われてしまうような薬剤師ではなく、使いこなせる薬剤師になることが重要ですよね。