薬剤師だけじゃなく、医療の世界では些細なミスが重大な事故につながる可能性があります。
そのため、些細なミスでも原因や、ミスが起きてしまう状況を考察して改善していくことが大切ですよね。
医療従事者の中でも薬剤師の仕事は、医師や医療事務などの些細なミスが患者さんの不利益になってしまうのを防ぐことです。
そんな中、ミスばかりで仕事がつらい薬剤師もいることでしょう。
そこで今回はミスばかりの薬剤師が、その状況を放置してしまうとどうなるのか。そして、改善するためには研修の手厚い職場に転職した方がいい理由について解説していきます。
ミスが多く仕事がつらいと感じている若手薬剤師さんはぜひ参考にして下さいね。
ミスばかりでつらい薬剤師が、その状況を放置してしまうと?
自分では注意しているつもりでも、いつもミスばかりしてしまう薬剤師も多いです。
はじめのうちはいいかもしれませんが、何ヶ月、場合によっては1年、2年もミスが起こしやすい状況だと危険がいっぱい。
「つらい」のは良く分かります。でも、耐えるだけでは意味がないですよね。そんな状況を放置してしまうと、あなたに後々大変なことが待っています。
今の状況を放置してしまう危険性について、ご紹介します。早めの対策が必要と気づくはずです。
結論から言ってしまうと、薬剤師でミスが多い人は、環境要因(職場・研修)によることが多いです。
1回、2回のミスならばともかく、同じようなミスを繰り返してしまうならば危険。将来を考えるならしっかり基礎から勉強することが、あなた・患者さん双方に大切です。
将来、仕事がなくなる
ミスばかりの薬剤師は、いずれ仕事がなくなります。ミスが多いということは、患者さんの命にかかるような重大な事故につながる引き金をひく回数が多いということです。
「些細なミスはしょっちゅうだけど、今までそんな重大なミスはしたことないから大丈夫」と楽観的に考えていると危険です。
あなたの些細なミスは、他の薬剤師がカバーしてくれています。同僚のカバーによって、これまでは重大な事故につながっていないだけです。
同僚も自分の仕事に加えてミスのカバーをして続けていたら、疲れてしまいますよね。その状況が続けば、いつかあなたのミスを他の薬剤師がスルーしてしまう日が来ます。
そうなった時、これまでの些細なミスの積み重ねがあなたにはもちろん、患者さんや同僚に降りかかるところが目に見える結果として表われるのです。
最悪、患者さんが亡くなった場合には賠償責任が生じますし、その責任はあなただけでなく職場にも生じます。
人間なので、ミスは仕方ないです。しかし、そのミスを放置して改善しようとしないと薬剤師としての価値はありません。
そんな薬剤師は、リストラの第一候補となってしまうため仕事がなくなってしまう可能性が高いです。
50代で調剤経験が少なくミスばかりだと、この先はかなり厳しいかもしれませんね。
メンタルを病んでしまう
ミスをしてしまった日には自分を責めてしまう薬剤師もいることでしょう。
「どうしてミスしてしまったんだ」
「あの時、私が気付いていればこんなことにはならなかった」
など、仕事終わりに反省の日々を送っている人もいますよね。
同僚や先輩薬剤師に相談すると「もっと集中して」「注意深く仕事をして」などアドバイスをくれる人もいます。しかし、こんなアドバイスは最悪です。
人間は、必ずミスしてしまうことを前提として、職場内でミスがミスにつながらない仕組み作りが重要です。
人間の集中力には限界があるため、集中力に頼った仕事術ではミスが減りません。
そんな状況が続いてしまうとミスは改善しないため自分がダメな人間なのではないかと考えてしまうことでしょう。
毎日、自分を責め続けるうちに薬剤師としての自信はなくなっていき、メンタルもボロボロになってしまいます。
こんな状態では薬剤師を続けるはおろか、仕事を続けるのもつらくなってしまいますよね。そうなる前にミスとの付き合い方を考えていくことが重要です。
研修の手厚い職場に転職した方がいい理由
ミスばかりの薬剤師が、今の状況を改善するためには研修の手厚い職場に転職するのがいい方法といえます。
その理由について解説していきます。
ミスの原因やミスしやすい状況がわかる
「ミスが多いのは集中力が足りないから」と考え、根性論を振りかざしてくるベテラン薬剤師もいます。
ミスの原因として集中力が足りないということは挙げられますが、それだけではありません。就業時間中、常にマックスの集中力で仕事に臨むことは難しく、残業があればなおさらです。
ミスが起こってしまう状況を深く考えていくと、必ず集中力以外の原因があります。
慣れてる人ほど、暇なときにミスしやすいです。でも今までの仕事を振り返ると、混雑時にミスが起こってしまうことが多いのではないでしょうか?
急いでいるため患者さんを取り違えてしまったり、規格や剤形を間違えてしまったりするケースは多いです。一包化の鑑査も、焦ると間違えやすいです。
ミスを一つ一つ考察していくと、ミスが起こりやすい状況や原因がわかります。
研修の手厚い職場では、ミスしやすい状況や原因を把握しており、改善のためのノウハウがあります。
ミスしやすい状況や原因は、人によって異なることも多いのです。そのため、自分がどういう時にミスしやすいのか知ることが重要です。
確かに、はっきりとした原因を理解していければ、少しずつ改善していく事が可能ですよね。
研修の手厚い職場であれば、原因を考える機会が増えるため、これまでの自分の仕事への向き合い方を考えるきっかけとなります。
自分のミスのパターンに気付けたとしてもノウハウがなければ難しいですが、研修の手厚い職場であればノウハウまで伝授してくれます。
ミスが少なくなれば、これまで以上に薬剤師として日本の医療に貢献できます。
そして、モチベーションアップにもつながるため、研修の手厚い職場に転職した方がいいと言えるのではないでしょうか。
何よりも、ミスを減らす事によって、薬剤師として失った自信を取り戻す事ができる。
自分に合った薬局・店舗に配属される
しかし、どんなに研修の手厚い職場でも、ミスが改善されないケースもあります。薬剤師はミスにシビアに仕事ですから、この職業が合っていなかったのかもしれません。
だからといって、せっかく長い時間と学費をかけて薬剤師免許をとったのですから、別の仕事を探すというのは受け入れがたいですよね。
そんな時でも研修の手厚い職場であれば心配いりません。薬剤師の仕事は、多岐に渡ります。
病院、調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社、医薬品卸などさまざまです。
調剤薬局の仕事だけを見てみても、調剤・鑑査・投薬・発注・在庫管理・在宅対応・OTC販売などです。
仕事を細かく区切っていくと、些細なミスでも「大きなリスク」とはならない業務も多いですよね。
例えば、医薬品の発注ミスをしてしまっても、多く発注してしまったら返品すれば問題になりません。
また、発注漏れがあり処方せんを受け付けた時に全ての医薬品が揃わなかったとしても、患者さんに数日分の手持ちがあれば今すぐ発注して届ければOKです。
また、1日に患者さんが数百人で訪れる大型病院や大型店舗もあれば、数十人の患者さんしか来ないところもあります。
大型病院や大型店舗では薬剤師の人数も多いため、コミュニケーションエラーも起こりやすく些細なミスを余計に増えます。
ところが、数十人の患者さん相手であれば薬剤師は少数なのでコミュニケーションエラーも少なくなります。
研修の手厚い職場であれば、ミスが多い薬剤師には厳しい店舗や仕事を把握しています。
そのため、ミスばかりの薬剤師でも仕事のしやすい環境作りへの配慮があります。
ミスばかりでつらいことを人事に相談すれば、配置転換などで対応してくれる可能性が高いです。
自分に合った職場を提案してくる可能性が高いため、ミスばかりでも薬剤師の仕事を続けることができるのです。
研修の手厚い薬局や、薬剤師の働ける求人探しには、転職エージェントを利用すること。あなたの「悩み」「職場の希望条件」をヒアリングしてくれ、あなたに合った求人を紹介してくれます。
サポートの手厚い「マイナビ薬剤師」や「薬キャリエージェント」を利用すれば、そうした良い転職も可能です。
ミスが続くと精神的につらいですよね。体調管理をして、万全の状態で仕事に臨んでもミスが続くと、どうしたらいいのかわからなくなってしまいます。
ところが、ミスの原因をしっかりと考察してミスとうまく付き合っていけば、つらい状況からは解放されます。
薬剤師の仕事でミスを0にするのは難しいです。でも仕事内容・職場環境を見直すことが大事ですし、うまく付き合っていくことも大事かもしれませんね。