この記事は、労働条件で困っている人、長時間労働・サービス残業など、不適切な働き方をさせられている薬剤師向けの記事です。
働いていると突然「労働条件が変更されるお知らせ」が来る事があります。まずほとんどは、不利な内容。
それは薬局の合併が理由かもしれないし、業績の悪化によるパート時間の削減などかもしれません。
こうした事態に直面した時、「仕方ない」と諦めてしまう人が多いかもしれません。
だって薬剤師なら、転職すればよりよい条件、そうでなくても遜色ない年収・時給で働ける事がほとんどだからです。
変に争うのは時間の無駄、それは一理あります。
「雇用契約」に無頓着な経営者ほど、そうした不当な扱いをします。いや、ほとんどの場合、あまりリスクなんか考えずに年収を減らす、手当てを削る、労働時間を減らす、なんて事をしてきます。
しかし、雇用契約は労働者を守るための法律です。その会社なりに雇われて働く際に、雇用契約を必ず結び、その条件で働いているわけです。
極端な話、経営者よりも強い武器を持って働いているのです。
一方的な不利益変更を、労働者はそのまま受け入れる必要は全くありません。
以下、労働契約法の資料より抜粋。
賃金体系の変更により大幅な不利益を生じさせる場合には、一方的に不利益を受ける労働者について不利益性を緩和するなどの経過措置を設けることによる適切な救済を併せ図るべきであり、それがないままに一部の労働者に大きな不利益のみを受忍させることには、相当性がないものというほかはない。
少なくとも例えば薬局が大手に合併したからといって、突然収入を下げる事は「争えば」勝てます(ただし、経営状況が著しく悪い場合はその限りではない)。
労働契約法に則れば、年収が下がる事になるとしても「経過措置」が必要だからです(例えば2年後から減る、段階的に減るなど)。
たぶん、今置かれた状況を誰かに話すと、こう言われるでしょう。
「それっておかしい」「争えばいいんじゃない」「労働基準監督署に相談するべき」
労働基準監督署が動いてくれれば、かなり有利に進められます。自分自身が動く必要はなく、直接会社に勧告してくれますからね。
「労働基準監督署に相談するべき」───でもはっきり言って、相談したって何もしてくれません。なぜなら忙しいから。
世の中には不当な解雇など、働く上で困ってる人がたくさんいます。薬剤師が「年収が下げられる」という訴えなんて、後回しにされても仕方ないかもしれません。
労働基準監督署を監督する所、それは厚生労働省です。厚生労働省に伝えればいいのです。
薬剤師の味方、厚生労働省!!
よりハードルが高いと思うかも知れませんが、厚労省や労働基準監督署にわざわざ足を運ばなくたって大丈夫、電話しなくたって大丈夫です。
誰にも見つけられないような厚生労働省のホームページ片隅に、こんな窓口があるのです。
労働条件の相談や不当な働かせ方など、ここから通報が可能。大きなメリットの一つは「匿名でもOK」という事。
もちろんこのメール相談から連絡したって、今日明日に動いてくれるわけではありません。
でも、労働基準監督署に相談するより、とっても確実な相談方法です。
だって、労働基準監督署の親分である厚生労働省に「困った」って相談するんです。子分に「どうにかしろ」って指示が飛びますよね。
「今は関係ないな」と思う人でも、こうした相談窓口があるという事、それは頭に入れておいても、きっと損なんて無いはずです。