薬剤師と看護師の平均年収比較|薬学部は学費がネック?

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医療従事者の中でも職種別人口の多いのは医師、薬剤師、看護師となっています。

その中でも薬剤師と看護師の平均年収は比較されることがよくあります。どっちの方が高いのでしょうか?

そこで、今回は薬剤師と看護師の平均年収を徹底比較していきます。

これから薬剤師になるか、看護師になるか迷っている学生さんやパートナーが薬剤師や看護師の人はぜひ参考にして下さい。

薬剤師と看護師の平均年収

職種別の平均年収は厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査を見ればすぐにわかります。
まずは、平成30年のデータを基にそれぞれの平均年収をご紹介しますね。

薬剤師の平均年収

薬剤師の平均年収は5,435,900円でした。男女別で見てみると男性が5,751,700円、女性が5,246,200円となっています。

薬剤師の男女比は3:7で女性の方が多いとされています。男女の差で500,000円ほどの差がでていることがわかりますね。

これは雇用形態の違いや役職による手当の違いだと考えられます。

女性の場合には、子供を育てながらパートタイムで勤務することが多く、また出産を機に退職する人もいます。

男性の場合には、フルタイムで正社員として働いている人が多く役職手当がつくことが多いです。

人数は女性の多いですが、薬剤師として定年まで長く働き続けているのは男性の方が多いため、年収も高くなりがち。

また、薬剤師の場合には非常に活躍の場が多いです。病院だけでなく、調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社、医薬品卸会社、化粧品メーカー、麻薬取締官など多岐に渡ります。

そのため、職場によって平均年収にかなりのバラツキがあるのが特徴です。

薬剤師同士の夫婦であれば、2人で10,000,000円以上の年収を確保できるため、余裕を持った生活ができそうですよね。

看護師の平均年収

看護師の平均年収は4,799,300円でした。男女別で見てみると男性4,924,200円、女性4,784,700円です。看護師の男女比は1:9となっており圧倒的に女性の方が多いです。

薬剤師ほど男女による年収の差がなく、少しだけ男性の方が高いのは家族手当を採用している病院が多いため、その分が上乗せされているという感じですね。

看護師の主な職場は、病院・クリニックなどの医療機関です。

講師として看護師の教育をしている人もいますが、ほとんどの看護師は病院の現場でプレーヤーとして活躍しています。

そのため、年収の差は病院の規模によって変わってきます。100人以下の小規模病院やクリニックでは4,372,500円、100~999人の中規模病院では4,595,000円、1,000人以上の大規模病院では5,137,900円となっています。

大規模病院の方が年収も高く、福利厚生、設備もしっかりしているなら働くには最高の場所ですよね。

薬剤師と看護師の生涯賃金

薬剤師と看護師では働ける期間が異なります。薬剤師の場合、最短でも高校卒業後、現役で大学に入学して6年間勉強して国家試験を突破した24歳の時から働き始めることができます。

看護師の場合、最短では中学校を卒業後、5年一貫性の看護学科が設けられている高校に入学して5年間勉強して国家試験を突破した20歳の時から働き始めることができます。

また、看護学科のない普通の高校を卒業後、専門学校や大学に入学して3~4年勉強したのち国家試験を突破して看護師になる人が多いです。

その他にも准看護師の資格を取得後、短大が専修を2年間通うことでも国家試験の受験資格を得ることができます。

つまり、薬剤師は24歳から看護師は20歳から働き始めることができるので、ここから人生における労働年数が変わってきます。

それも踏まえた生涯賃金を見ていきましょう。

生涯賃金は、薬剤師が男性では224,233,500円女性では196,684,400円、看護師が男性では195,816,000円女性では186,572,100円となっています。

働き始めることができる年齢は薬剤師の方が遅いのですが、生涯賃金を見てみると薬剤師の方が多いことがわかりますね。

薬剤師と看護師の年収に関わる3つの注意点

薬剤師と看護師の年収を比較した結果、薬剤師に軍配が上がることがわかりました。それならば、薬剤師になった方が得だと思う人も多いかもしれません。

しかし、それは早計なんです。

どちらの方が良いのかは年収だけでなく、トータルで考えていく必要があります。それぞれの年収以外の違いで注意しなければいけない点をご紹介します。

学費

期間は違いますが、どちらも学校で数年勉強して国家試験を突破しなければ働くことはできません。その時に必要なのが学費です。

薬学部の場合には入学金が約1,000,000円、学費が年間約2,000,000円かかります。6年通うとなると13,000,000円ほどの学費が必要になります。

大学によって学費は異なりますが、どんなに学費が安い大学でも10,000,000円程度はかかってしまいます。

また、最近では薬剤師国家試験合格率が70%を下回り年々低下していることもあって、合格するのが難しくなっています。

そのため、大学も合格見込みのない学生は留年させることが多いので、留年する度に学費は増加してしまいます。

何度も留年してしまえばその度に学費は増えて、働き始める年齢が上がってしまうため生涯賃金は下がってしまうのです。

看護師の場合には、専門学校では総額2,500,000~3,000,000円、私立大学では総額5,000,000~7,000,000円となっています。

看護師国家試験の合格率は90%前後なので、難易度は薬剤師と比較すると低いですし、現役ならば基本的に合格すると思って間違いありません。

また、看護師には看護奨学金制度があります。この制度は、一般的な奨学金とは違い、条件次第では返済の義務がありません。

例えば、A病院の看護奨学金制度に申し込み奨学生となった場合、国家試験合格後A病院に入職して数年間勤務すると返済の義務がなくなります。

何年勤務するかの条件は病院によって変わりますが、学費をほとんど無料にしてしまうこともできるのです。

両者とも女性が多いので、女性の生涯賃金と学費を比較してみましょう。

生涯賃金の差は10,000,000円程度です。しかし、学費は10,000,000~15,000,000円ほどの差があります。

学費を親が負担してくれるのであれば気にする必要はありません。しかし、自分でも負担しなければならない状況であればトータルを考えたら看護師の方が良いのかもしれません。

社会人になった瞬間から数百万円~数千万円単位の借金を背負い、何十年も働きながら返済していくのは大変ですよね。

年収だけでなく、学費も考えて選ぶことが大切。

仕事内容

薬剤師と看護師では仕事内容が大きく異なります。看護師の場合には、病院で患者さんの対応をしていきます。

病院内を駆け回り、入院患者さんの身の回りの介助をするためエネルギッシュな人が向いています。また、夜勤もあるため、体力が必要な大変な仕事です。

薬剤師の場合でも病院勤務の場合には夜勤はあります。

しかし、体力的にきつくて続けられないとなれば調剤薬局でもドラッグストアでも就職先はたくさんあります。

職場によって求められるスキルは異なるため、体力に自信がなくても続けることができる仕事です。

どちらも若いうちは体に無理が利くので、なんとか頑張ることができるでしょう。しかし、年を取るごとに体力が低下するため自己管理が重要になってきます。

年金もいつからいくらもらえるかわからないため、特に若い世代は60歳で隠居生活などは夢の話といっても過言ではないでしょう。

70歳になっても働き始めることができることを前提に仕事を選んでいく必要があります。自分が年老いた時のことも考えて、仕事内容から職種を選んでいく事が大事ですね。

まとめ

薬剤師も看護師も社会にはなくてはならない素晴らしい仕事です。しかし、仕事をするからにはお金のことが気になります。

年収だけでなく、トータルで考えていくとどちらも魅力があり甲乙つけがたい仕事といえますよね。自分の正確や気質に合った職種・仕事選びが大切なのです。