病院や調剤薬局、ドラッグストアで働いていると同僚が急に辞めてしまったという経験をしたことがある人も多いでしょう。
薬剤師をすぐに採用できれば問題ないのですが、薬剤師不足の地域ではそれが難しいです。
人手が減っても業務量が減るわけではないので、残された人たちは困り果てます。そんな時に、力になるのが派遣薬剤師です。
しかし、そんな派遣薬剤師が使えない人だと余計に困りますよね。
そこで、今回は使えない派遣薬剤師の特徴と、使えない派遣薬剤師が派遣されてきてしまった時の対応策についてご紹介します。
派遣薬剤師と関わる機会の多い人はぜひ参考にして下さいね。
使えない派遣薬剤師の特徴
使えない派遣薬剤師には共通した特徴があります。まずは、その特徴についてご紹介します。
ケアレスミスが多く、知識が乏しい
使えない派遣薬剤師はケアレスミスが多く、知識も乏しいです。
派遣薬剤師は、いろいろな職場に派遣される可能性があるのですから知識がなければ仕事になりません。
経験が少なく眼科の知識のみ、皮膚科の知識のみなど単科知識のみではスキル不足といえます。
店舗に配属されている正社員やパートではそれでも通用します。なぜなら、長期で雇用することを前提としているからです。
知識があるに越したことはありませんが、薬剤師不足の状況を考えると今は知識不足だったとしても徐々に知識をつけてくれれば問題ないと考える経営者も多いです。
しかし、派遣薬剤師となると急な人員不足の穴埋めを目的で派遣されているわけですから短期で働くのが前提です。
そんな中で知識がないのは致命傷といえます。また、知識があったとしてもケアレスミスが多い派遣薬剤師も使えないという印象を与えてしまいます。
ケアレスミスが多いとそのリカバリーのために人員や時間が必要となるので、正社員やパートの仕事が増えてしまいます。
また小さなケアレスミスから大きな医療事故へとつながっていくため、ケアレスミスを起こさない仕組みを個人でも考えていく必要があります。
仕事が早くてケアレスミスが多い人よりも仕事が遅くてもケアレスミスが少ない人の方が派遣薬剤師では大切です。
指示待ち人間
指示を待っていて積極性のない人は使えないと思われてしまう可能性があります。特に派遣薬剤師で指示を待っている人はひどいです。
指示がない間はボケッと立っているだけとなるとかなり悪い印象を与えてしまいます。なぜなら、派遣薬剤師は時給が高くコストがかかっているからです。
正社員やパートから見てみれば「自分より高い給料なのに仕事していない」と思われてしまいますし、経営者からは「せっかく高い金払っているのに正社員やパートより仕事しない」と思われてしまいます。
実際には、契約期間が限定的で次の仕事が確約されていない、高いスキルが必要などのリスクを派遣薬剤師は背負っているため時給が高いのは当たり前です。
ところが、そういったリスクを理解してくれる人は少ないので、業務量で判断されてしまいます。
指示を待つのではなく、手が空いた時には自分から仕事がないか尋ねて常に手を動かしているという状態でないと厳しいものがあります。
ルールややり方に口出し
薬剤師はインテリな人が多く、特に派遣薬剤師はさまざまな現場で働いているので仕事の引き出しが多いです。
昔から開局している薬局など、職場によっては非効率的な仕事ばかりをしているところもあります。そんな様子を見て、「こうした方が効率的です」などと口出しするのはNGです。
一見、非効率的な仕事に見えてもその職場の歴史の中で何度も構築、修正を繰り返して今の仕事のやり方に落ち着いたというパターンが多いです。
「そういった苦労も知らずに効率だけで仕事を語るな」と怒ってしまう人もいることでしょう。
実際には仕事は効率的にするに越したことはないのですが、その職場のルールややり方に口出ししてしまうと使えないと判断されてしまいます。
使えない派遣薬剤師が派遣されてきた時の対応策
自分が働いている職場に使えない派遣薬剤師が派遣されてきてしまったら地獄です。
そんな時の対応策についてご紹介します。
更新前に契約を打ち切れないか相談
使えない派遣薬剤師は職場にいるだけでマイナスになります。なるべく早く、その派遣薬剤師には自分たちの職場から去ってもらった方が良いでしょう。
「使える・使えない」の判断は、その職場によって異なります。判断するためのポイントは、いくつかありますが、大切なのは自分たちの職場にとって使えるか使えないかです。
薬剤師、事務スタッフの声をきちんと拾っておくというのは言うまでもなく大切。
そうした判断は早くする必要があり、誰が判断するのか決めておくのが良いでしょう。
もちろん、最終的に判断するのは最終責任のある経営者ですが、病院や薬局の規模が大きい場合には上長からの意見をくみ上げて決めるケースが多いです。
その職場で責任のある上長が早く判断して、切るかどうかの最終決定権を持っている経営者に相談しましょう。
派遣薬剤師の場合には、契約の期間が決まっています。原則として契約期間中に使えないと理由では契約を打ち切ってしまうということはできません。
基本的には契約満了後に更新をしないという手段で使えない派遣薬剤師との付き合いを終わらせる形になります。
契約期間が満了しても職場の人手不足が解消されなかった場合には、契約を更新するケースもあるでしょう。
そこで、今派遣されている薬剤師が使えないということを経営者が把握していない場合には、その薬剤師が契約更新されてしまう可能性があります。
使えないと判断した時点で次の契約更新期間前に今後どうしていくのか相談していくのが大切ですね。
また次回も同じ派遣会社から派遣されてくるのであれば、今回の使えない派遣薬剤師の仕事ぶりを報告しましょう。
使えないと感じるのは、その職場と合っていなかっただけで単なるミスマッチの可能性も高いです。
どういった仕事ぶりを使えないと感じたのか記録に残しておき、次回はミスマッチが起こらないように派遣会社との意見をすり合わせることも大切ですね。
無難な仕事を振る
早期に使えないと判断できたとしても契約期間が満了になるまでは仕事をしてもらう形になります。
その場合には、仕方ないので使えない派遣薬剤師をどうやって有効活用できるのか考えていくことが大切ですね。
短期間で使えない薬剤師を使える薬剤師へと変えるのは難しいです。また、派遣薬剤師にそこまでする義理もありません。あくまで仕事上での付き合いなので、ビジネスライクに考えていく必要があります。
そのためには、誰でもできるような無難な仕事を振るのが最も効率的です。
例えば、PTPシートしか販売されていない医薬品を一包化する時のためにバラしておいてもらう、投薬だけをしてもらうなどです。
その人にできることをやってもらうしかないのです。
「使えない派遣薬剤師を契約期間内にみんなが嫌がる仕事をしてもらって使い倒してやろう」と考える人もいることでしょう。
ところが、使えない派遣薬剤師にも言い分はあります。
契約にない仕事を振られたなど職場に問題がある場合もあるのです。
従業員の立場からは、会社と派遣薬剤師にどのような契約があるのかはっきりとはわかりません。
そんな状態で使い倒してやろうとトイレ掃除や草むしりなどみんなが嫌がる仕事をここぞとばかりに命じてしまえばトラブルに発展する可能性があります。
あとになってからパワハラやセクハラだと訴えられてしまうリスクがあるのです。
そのため、契約期間が満了するまでは無難にやり過ごすのが最も効率的です。
使えない=仕事できないと考えるのではなく、その職場が合っていなかっただけと考えるのがお互いに良いでしょう。
「そんなのは生ぬるい、契約が終わるまで待っている時間がもったいない」と思う人もいるでしょう。
もっと先を考えた時に契約期間内は、トラブルが起きないように無難に時間が過ぎるのを待つのもリスクを避けるのには大切な考え方といえますよね。
まとめ
職場が忙しいから派遣薬剤師を頼んでいるのに、使えなかったら最悪ですよね。
派遣薬剤師もスキルを上げる必要がありますし、病院や会社も派遣薬剤師を有効活用できる環境を作ることも大切ですがそれには時間がかかります。
もしも、使えない派遣薬剤師がやってきたら早期に対応することが大切です。早い判断でお互いイヤな気持ちなく働けると良いですよね。