病院から調剤薬局に転職する薬剤師はとても多い。
「年収の不満」という事については、就活時点では理想で病院を選択してしまうケースが多いです。「臨床に近い」イメージですし、薬剤師なら一度は働いてみたいと思う事もあるはずです。
また年収、つまり「生活」という現実を考えてみても、「この給与じゃ生活していけない」と感じてしまう薬剤師が多いのではないでしょうか。
実際問題として、30代以降の生活を考えるとそこそこの年収は得ておきたいもの。
ただ転職動機はどうあれ、病院から調剤薬局に転職したい薬剤師は「志望動機」をどう面接の際に伝えるのかが一つの問題です。
面接対応をどうするかという課題もありますが、履歴書の「志望動機」「自己PR」でそんなネガティブな事を履歴書に書けませんよね。
かと言って、病院から薬局に職場を変えるポジティブな理由を考えるのも難しい。なぜなら、病院から調剤薬局への転職は、多くの場合で今の不満を解消させるための転職だからです。
では病院薬剤師は、どういった事に注意して調剤薬局への転職活動をはじめれば良いのでしょうか?
病院薬剤師は初めての転職のケースが多い
病院から調剤薬局に転職する薬剤師の場合、初めての転職であるケースがほとんどです。
つまり、新卒で病院で働き始めたけど、やっぱり調剤薬局やドラッグストアがいいなと思い直すケース。
もちろん1回は違う病院に転職したけど、「やっぱり病院は合わない」と感じた薬剤師もいるかもしれませんね。
就職活動をしていた時に「調剤薬局やドラッグストアで働くなんて嫌だな」と思っていた場合、どういう志望動機にすればいいのか悩ましいところ。でもあまり心配する必要ないんです。
転職の理由は関係ない
調剤薬局で薬剤師採用する際、面接に先立って履歴書に目を通します。「この薬剤師にはうちの薬局で働いて欲しいな」と思ったら面接に進むわけですね。
さてこの履歴書、主に注意して見られる部分は、これまでの職務経歴と志望動機です。
ただ実際に面接の場で、「どうして弊社を希望されましたか?」と聞かれるかどうかは、半々と思ってくれて良いです。
聞かれないケースも割と多いのですが、なぜなら薬局でも薬剤師が足りないから採用を掛けているからです。病院でも薬剤師不足はあまり変わりませんよね。
そのため志望動機が少し曖昧であっても、「この薬剤師にぜひ入社して欲しい」と思ってくれさえすれば問題は無いのです。
調剤薬局を選ぶ際の志望動機って?
そもそも病院から調剤薬局に転職しようとする場合、ほとんどの薬剤師が「選ぶポイント」とする部分に大きな差はありません。例えば以下のような感じ。
自宅からの通いやすさ
ある程度の年収
働きやすさ
薬局の雰囲気
休みの取りやすさ
上記がベースで、それに加えて調剤薬局でやりたいことがあれば「志望動機」として加わっていく形です。
例えば「在宅をやりたい」「地域医療に貢献したい」などですね。
「明確な志望動機が思い浮かばない」それが普通です。そもそも病院が水に合わなくて転職したいのに、ポジティブな動機がある薬剤師は比較的少ないと言えますからね。
幸い、今は面接の対応法・履歴書の書き方など、紹介会社のエージェントがしっかりとレクチャーしてくれます。
病院から薬局への転職で悩んでいる薬剤師は、まずエージェントに相談する所からスタートすれば安心して転職活動をしていく事が出来ますね。
病院から調剤薬局に転職するデメリットは?
病院薬剤師を辞めてしまうデメリットは、あまりありません。ありますかね?
ただ50代のベテラン病院薬剤師や、定年後は薬局でとかだと、環境に慣れるのがちょっと難しいかもしれません。年配の人は「病院と違って調剤薬局はのんびりしている」イメージが強いようですが、そんな事はないからです。
20代、30代の薬剤師の場合だと、デメリットと言えるか分からないんですが、再び「病院で働きたい」と思えなくなる事くらいでしょうか。
調剤薬局から病院に転職する薬剤師って、ほぼいません。
ただし「病院で働く薬剤師」という優越感が無くなってしまいます。今それを感じて無ければ、どうでも良い事ですね。
病院から調剤薬局に転職するメリットは?
6年制卒であれば薬局実習も行っているはずですから、調剤薬局がどんな雰囲気はつかめているはず。
「薬剤師としての仕事」は基本的には同じですから、病院も調剤薬局も医師の指示(処方)にしたがい、薬の調整・服薬指導を中心に行う事です。
ただ、病院の診療科目によりますが、一般的には病院薬剤師のほうが大変で、年収が低いと言われています。これは実際そうです。
薬局薬剤師ももちろん大変ですが、調剤薬局から病院に転職する薬剤師が極めて少数である事を考えると、働きやすさの面では薬局に大きく軍配が上がるはずです。
当直(夜勤)がない
働いている薬剤師数にもよりますが、病院では当直があるケースがあります。
しっかりとしたサポートが無い中で、薬剤師1年目から当直があると結構大変です。たまの忙しい時に「声を掛けられる人がいない」場合、かなり精神的に負担を感じてしまう人が多いかもしれませんね。
当直に関しては実習で体験しづらい部分なので、働き始めてから意外と「つらい」と感じてしまう部分なのです。
年収は調剤薬局が高い
「調剤薬局が高い」というよりは「病院が低い」のが現状で、もっと評価されるべき部分なんですが、現実として調剤薬局・ドラッグストアの方が年収は高くなります。
そのため、特に年収にこだわらなくても、転職で年収が上がると思って間違いはありませんね。
確かに病院の場合、夜勤手当が手厚いような場合、調剤薬局に転職しても大して年収は上がらないというケースもあるかもしれません。
ただ調剤薬局では、30代、40代に掛けてある程度しっかり昇給していきます。病院の場合は年収が上がりづらいという事も考慮に入れる必要がありますね。
中には転職してすぐ「目に見えて年収が上がる」と実感出来ない薬剤師もいるかもしれませんが、少なくとも損するようなケースはあまりないと言えるでしょう。
人間関係が割とシンプル
病院薬剤師は、医師・看護師・コメディカルなど、薬剤師以外の人間関係も複雑です。
もちろん調剤薬局だって、人間関係に悩んで転職する薬剤師は多いものの、病院ほどとは言えません。働いている人数が少ないですからね。
転職活動のポイントですが、特に人間関係の良い所で働きたいと思っているなら、しっかり面接時にチェックする事が大切です。
「薬剤師 急募 年収600万!」と言った求人に釣られて応募すると、労働環境は良くないケースがあります。
そのため、薬キャリエージェントを利用すれば、色んな調剤薬局の雰囲気もしっかり掴めるので心配はぐっと少なくなります。
20代、30代の薬剤師であれば、病院から調剤薬局・調剤併設ドラッグストアに転職するケースは多いもの。上記の点に注意して、転職活動をすすめていきたいですね。