初めて転職しようと考えている薬剤師は、いつから転職活動を始めたらよいのか心配になってしまいますよね。
時期を間違えてしまい、働いていない期間が出てしまうと年金や健康保険など社会保障の手続きも面倒くさいものです。
そこで、今回は薬剤師の転職活動はいつから開始するのがよいのか・どうすれば上手な転職が出来るのかについてご紹介します。これから初めての転職を考えている人はぜひ参考にして下さいね。
薬剤師は転職活動をいつから始めるべき?
薬剤師業界には1年にたくさんのイベントがありますよね。
インフルエンザウイルスが流行る時期、新人薬剤師が入ってくる時期などイベント次第で病院や薬局の忙しさは変わります。
忙しい時期の方が薬剤師の需要が多いため、うまく転職できそうですよね。まずは、転職活動をいつから始めるべきかご紹介していきます。
薬剤師が転職活動を始めるなら今すぐがベスト
結論からいうと、今すぐです。
特に、今の病院や薬局の労働条件に不満があって転職するという薬剤師は、今日からでも始めましょう。待っていても状況は改善しません。
自分から動き出して、自分が納得のできる職場を見つけ出す必要があります。
今の職場がブラックなのであれば、あなたの転職を阻止してくることもあり得ます。この対応にも時間や体力を使うため、早くに行動する必要があるのです。
転職活動を開始したら、求人を見つけて面接の日程を調整して、実際に面接を受けて内定を勝ち取るという流れになります。ここまでで1か月ほどの時間がかかってしまいます。
さらに、今の病院や薬局を辞めるために引き継ぎや退職処理などをしていると、1か月ほどの時間がかかってしまいます。
つまり、実際に転職先で働き始めるまでには2か月ほどかかってしまうのです。辞める時期を気にしていてはデメリットが多いという事。
初めての転職だと情報収集に戸惑ってしまい、3か月ほどの時間がかかってしまうこともあります。薬剤師が焦って転職をしても良い結果は生まれません。
しっかりと転職先のことを調べて、自分が納得できると感じたら転職すればよいのです。転職活動を始めたからといって、すぐに転職しなければならないわけではありません。
他の調剤薬局や病院を見てみたら、今の会社が恵まれていたことに気付くということもあり得ます。その場合には、転職しないという選択肢も出てきますよね。
そのため、自分のこれからを考える時間を作るためにも今すぐ動き出すのが大切。
基本的には、薬剤師利用者数の多い「マイナビ薬剤師」や「薬キャリエージェント」に良い求人が集まるので、働きながら転職活動をスタートしていけば大丈夫です。
薬剤師に転職時期は関係ない
「1~3月は求人が出やすいので良い時期」「6月、12月はボーナス月で退職者が出やすいので良い時期」という話を聞いたことがある薬剤師もいるかと思います。
実際に、そのような傾向はありますが転職に大きく関わるかというとそこまでの影響はありません。薬剤師の職場はたくさんあり、まだまだ全国的に薬剤師不足の状況が続いています。
求人を検索してみると、年中求人を出しっぱなしの会社も多くあることに気付くはず。それだけ薬剤師は不足しています。
やっとの思いで薬剤師を確保できたとしても、別の薬剤師が辞めてしまい、また薬剤師不足なんていう会社も多いです。
今後は薬剤師の需要が供給を上回っていくなどと言われていますが、10年前も言われていましたし、薬剤師国家試験の合格率は上昇していません。
少しずつ状況は厳しくなっていますが、現状は売り手市場です。そのため、時期を気にしなくて問題ありませんよ。
ほとんどの場合には希望の条件から会社を探していくことになるでしょう。たくさんの求人があるので、複数の求人サイトを利用すれば希望に近い求人は見つかります。
時期を気にして、状況が改善する見込みのない今の会社にいつまでもいるのは危険です。これからのチャンスを逃してしまう機会損失となってしまうのです。
なので、時期は気にせず今すぐ転職活動を開始しましょう。
薬剤師が転職活動を開始する前にチェックしておく3つのこと
今から転職活動を始めようと意欲的になった薬剤師は、まずは現状をチェックしましょう。3つのポイントに絞ってチェックしていくと現状を把握しやすいですよ。
チェックすべき3つのことをご紹介します。
ボーナス
今の会社がボーナス制になっている人は、ボーナスについてチェックしましょう。
いつまで在籍しているとボーナスがもらえるのか、金額はいくらなのかなどをチェックする必要があります。
年俸制で月々の給与が変わらない人は気にする必要はありません。しかし、ボーナス制になっている人は、1回のボーナスを受け取れないだけで年収が大きく下がってしまうこともあります。
なるべくならしっかりと受け取ってから転職したいですよね。だからといって、必ずボーナスを受け取る必要はありませんよ。
金額が小さかったり、今年はもらえない可能性があったりする場合には無視してしまってOKです。
期待値で考えていき、今までもらえない年があった人は過去の傾向を見たり、今年の業績を予想したりすれば完全に無視できます。患者さんが少なくなっているところは、基本無視してOKです。
転職で年収アップが狙えるのであれば、早く転職することでボーナス分を埋め合わせることが可能です。
そのためには、いついくらもらえて、転職先ではいくらの給料がもらえるのか把握しておく必要があります。
トータルを計算してみて、今の会社のボーナスがもらえないと大きく損をしてしまうようであれば時期を考えてみましょう。
しかし、それほど変わらないか少しだけ損する場合には転職した方が良いです。
金額的には少し損をしてしまったとしても転職先で早く働き始めることで仕事や人間関係に慣れて自分の力を発揮できる可能性があります。
その場合には翌年の給料が上がっているかもしれませんね。目先の金額だけ考えるのではなく、将来のことも含めてトータルで考えていきましょう。
有給休暇
転職をする時には、有給休暇をしっかりと消化したいですよね。しかし、そこを有耶無耶にして消化させない薬局や病院もあります。
有給休暇は、労働者の権利なので誤魔化されそうになっても、しっかりと主張する事が大事。
そのためには自分がどれくらいの有給休暇を持っているか把握しなければなりませんよね。
ほとんどの場合には、給与明細に有給休暇の残日数が記載されているはず。記載されていない場合には、会社に問い合わせるか自分で計算してみましょう。
例えば、有給休暇が20日残った状態で転職するとします。完全週休2日制で公休が月に8日だった場合には、有給休暇を含めて28日休みながら給料をもらうことができるのです。
誤魔化されてしまった場合には1か月分の給料を捨てているのと同じです。それは、とてももったいないことですよね。
有給休暇は、勤務日数や勤続年数によって最大で年間20日取得することができて、これには時効があります。時効は2年間です。
つまり、最大で40日間の有給休暇がある人もいるので、2か月分の給料を捨ててしまう残念な結果になってしまうこともあるのです。
これはかなり大きな損失なので、しっかりとチェックする必要がありますよね。
薬剤師は有給休暇が使いづらい職場で働いている人も多いので、最後くらいはしっかり権利を行使したいものです。
もちろん、「有休なんかいいからすぐこの病院を辞めたい」なら、そうするのが得策です。
退職を申し出る時期
転職先が決まったら、退職の処理や引き継ぎをする必要があります。「明日から仕事来ません。今までお世話になりました。」では会社は困っていますよね。
そのため、調剤薬局・病院、つまり組織ごとに退職の時にはどれくらい前に申し出るのかが就業規則で明記されています。
1か月ほどの期間が設定されている会社が多いですが、中には2か月、3か月と長い期間を設定している会社もあります。それは無視しても大丈夫。
ただ例えば、転職先が今すぐに働ける即戦力薬剤師を求めている場合、面接をして内定を取れたとしても、今の職場を辞めるのに3か月もかかってしまうようだと内定が取り消されてしまう可能性もあります。
今の会社をスマートに辞めて、速やかに転職先で働き出す必要があるのです。スマートに辞めるためには日頃から関係を良くしておき、円満に退社できる環境を整えておきましょう。
しかし、「円満じゃなくて不満があるから会社を辞めるんだ」という人も多いです。そんな状況の人は円満退社にこだわる必要はありません。
法律上は退職の2週間前に申し出ることになっています。申し出てから2週間が経ったら、このことを伝えてスマートに辞められないか会社に相談してみましょう。
会社を辞めてからも、源泉徴収票や離職票などを受け取るために元の会社と連絡をとらなければならない場面が出てきます。
2週間を経ったからといって、出社しないという選択をしてしまうと、その時気まずいですよね。
この選択は最終手段としてとっておき、スマートに辞められるよう会社とコミュニケーションをとっていきましょう。
「上手な辞め方」は、なかなか難しいもの。ただ、転職エージェントにその旨を伝えれば、しっかり辞め方のアドバイスを貰えます。
「マイナビ薬剤師」や「薬キャリエージェント」のキャリアアドバイザーに、転職活動を開始しつつ相談してみるのがおすすめです。
薬剤師の転職時期【まとめ】
薬剤師の転職におすすめな時期などは基本的にはありません。
国が雇用の流動性を活性化させようとしていたり、元々薬剤師は転職の多い職種という背景もあったりして、そこまで大事に捉える必要が無くなってもいます。
転職が初めてだという薬剤師は「今の会社を辞めたらどうなってしまうのだろう」と不安な気持ちもわかります。
でも時代は変わっていて、転職をしたことがない人は能力に問題があるのではないかと考えられる時代すら近づいています。キャリアアップに繋がるからですし、能力のある薬剤師ほど転職するから。
早めに転職活動をして、さまざまな経験をしていく事が大事ですね。