調剤薬局の仕事に飽きてつまらない。薬剤師は転職でどんな選択肢があるの?

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調剤薬局で働いて数年、一通り仕事にも慣れてきた。でも毎日、同じ作業の繰り返しで調剤薬局の仕事に飽きてしまったという薬剤師は多いです。

患者様との何気ないやり取りや疑義照会で過誤や重複を防止できたとき、やりがいがあるとは感じる。

その一方、「自分のキャリアはこのままでいいのか」「変わらぬ環境で一生終えるのか」と思ってしまう事もありますよね。

狭い空間の中で、ルーティンワークが中心となる調剤薬局では、仕事のモチベーションを保つのが難しいといえます。

こんなつまらない毎日は嫌だと転職を検討したけれど、どんな選択肢があるのかわからないという方もいるのではないでしょうか?

そこで、今回は、調剤薬局からの定番の転職先から意外な転職先まで解説していきます。

調剤薬局に飽きた時に薬剤師から選ばれる転職先

調剤薬局飽きた

転職活動を始める時には、転職エージェントや転職経験のある知人に相談することが多いかと思います。

ほとんどの場合には、求人数も多く、調剤薬局からの転職しやすい定番の転職先を紹介されることでしょう。まずは、転職先の候補に入れておきたい王道の転職先をご紹介します。

1.調剤薬局

調剤薬局から転職する場合の王道の転職先は調剤薬局です。

「調剤薬局の仕事に飽きてしまったというのにまた調剤薬局はないでしょ!」と思っている方もいることでしょう。

しかし、調剤薬局と一口にいっても店舗によって働き方や勤務内容は変わります。例えば、在宅医療に力を入れている薬局です。

在宅患者さんの家に出向いたり、介護施設に出向いたりと薬局内で仕事をする時間が減り、患者さんと向き合う時間が増えてきます。

門前薬局で機械的に薬を出していただけの仕事に飽きてしまったという場合には、このような薬局で働くことでやりがいを見出せる可能性があるのです。

また、会社によっても考え方はさまざまです。

飽きが来ないように定期的に店舗異動を行なっている会社もあれば、地域に根ざしたかかりつけ薬局を目指すため店舗異動は極力しないという会社もあります。

店舗異動の多い会社であれば、飽きることなく働けるかもしれません。

さらに、調剤薬局への転職であれば、これまでの知識や経験が活かせるため真っ先に候補に入れたい転職先といえます。

2.ドラッグストア

ドラッグストアへの転職も王道の選択肢です。

ドラッグストアでは処方せんに基づいて調剤をする他にOTCや健康食品の販売など健康相談窓口のような役割が求められます。

お客さんから健康に関する悩みを聞いて、的確な提案をすることが重要です。
悩みに沿ったOTCや健康食品を販売するだけでなく、場合にはよっては病院受診を奨めるなど判断力が必要となります。

また、ドラッグストアでは調剤薬局よりも多くのスタッフが働いていることが多いです。

薬剤師だけでなく、登録販売者や一般スタッフなどさまざまな人と一緒に働くことになります。

調剤薬局の狭い人間関係に飽きてしまったという場合には、さまざま人と働けるドラッグストアは最適な転職先といえます。

【メリット】

市販医薬品の知識に強くなれる。薬剤師以外にも従業員はいるので、さまざまなタイプの人とも関わり合える。

【デメリット】

幅広く商品を扱っているため、訪れる客層はさまざまなのでストレスも蓄積する可能性もあり。

外来処方せんの枚数が少ないと、薬剤師業務だけでなく、レセプト請求まで1人でするケースもある。

3.病院・クリニック

調剤薬局よりも薬学に特化した仕事をしたい方には、病院やクリニックという選択肢があります。

病院では、医師、看護師、放射線技師、臨床検査技師などさまざまな専門的な知識を持つ人達が働いています。

それぞれの専門的な知識を活かして、患者さんの病気を治していくのです。

調剤薬局では、扱わない注射剤も病院では扱うことになります。

また、他の医療従事者とコミュニケーションをとる頻度が、他の転職先よりも多いためチーム医療に薬剤師として参加している実感が得られることでしょう。

調剤薬局やドラッグストアの場合には、生活習慣病の患者さんや比較的軽症な患者さんが多いため、病気を治すというよりは健康を維持するためのアプローチが必要です。

しかし、病院の場合には緊急性の高い患者さんや重傷な患者さんが多いため、健康を維持するというよりも病気を治したり、命をつなげたりするためのアプローチが必要になります。

そのため、ホスピタリティの高い方は、仕事にやりがいを見出せる可能性があります。

医療の専門家達と意見交換をして、知見を高めたいという方には病院やクリニックは良い転職先といえるでしょう。

【メリット】

最先端の医療を学べる場でもあるため、自分の知識向上にもつながる。

医師や看護師など、他の医療従事者と同一敷地内にいるため距離が近く、チームの一員として実感がわきやすい。

【デメリット】

勤務先によっては、シフトに応じて夜勤も生じるため、生活リズムが不規則になるケースもある。

薬剤部が外部から見えない閉鎖的な環境下におかれている可能性もあるため、人間関係で行き詰ることも。

クリニック・診療所は、薬剤師の配置義務がないため求人数自体が少ない。即戦力としてみなされることも多いため、経験や知識が必要。

人と同じじゃ嫌なあなたへ!意外な転職先

これまでご紹介した3つの転職先は王道の転職先です。転職の経験がある方のほとんどが、この3つの中から転職先を選んだことでしょう。

しかし、薬剤師には病院、調剤薬局、ドラッグストア以外にもさまざまな転職先があります。そんな意外な転職先をご紹介します。

4.MR

MRは、製薬会社における営業や広報の担当者であり、医療情報担当者の略です。

病院の医師や調剤薬局の薬剤師に自社で販売している医薬品の品質や有効性、安全性などの情報を提供するのがMRの仕事です。

「新卒でMRになる人はいるけれど、未経験でMRに転職するのはどうなの?」と考えてしまう方も多いでしょう。

しかし、調剤薬局からMRへ転職するハードルは高いですが不可能ではありません。
調剤薬局では薬剤師免許を保有していることが必須条件ですが、MRは必須条件ではなく求められるスキルも変わってきます。

MRの場合には、顧客である医師や薬剤師との長期的な信頼関係を構築できるスキルが必要です。

新卒で調剤薬局に就職したけれど、実際に働いてみると自分には合っていなかったことに気付くこともあるでしょう。

特に、コミュニケーション能力が高い方は、調剤薬局でもその能力を活かすことは可能ですがMRになることで、さらにその能力を活かすことが可能です。

白衣からスーツに着替えて、持ち前のコミュニケーション能力で勝負してみたいという方にはMRが最適な転職先といえるでしょう。

【メリット】

年収が高く、福利厚生が安定している。土日祝は原則休み。

【デメリット】

経験を要する職種が多いため、未経験での転職は難しいケースもある。

転勤が全国であるため、勤務地にようやく慣れたのにも関わらず、また一から関係を構築しなければいけないこともある。

5.CRO

CROとは、医薬品開発業務受託機関のことを指します。製薬会社が医薬品を開発する時には、新薬の有効性や安全性を判断するために治験を行ないます。

この治験業務を製薬会社から委託されて、代行するのがCROの仕事です。

治験の計画を立てたり、新薬の安全性を管理したり、治験が計画通り進んでいるのか管理したり、治験から得られたデータを管理したりと治験に関するさまざまな業務に携わっていきます。

新薬の開発をサポートするという社会貢献度が高い仕事であり、出張も多いため調剤薬局とは働き方が大きく異なります。

また、国際共同治験では治験実施計画書が英語で書かれていることが多いため英語力が必須のスキルです。

狭い調剤薬局から飛び出してグローバルな活躍をしたい方にはCROは良い選択肢となることでしょう。

6.物流倉庫

物流倉庫での勤務も薬剤師の転職先の選択肢となります。この場合には、企業が物流倉庫で保有している医薬品の管理をするのが仕事内容です。

イメージしやすいのが、製薬会社や医薬品卸の物流倉庫の管理です。

病院や調剤薬局に届けられる医療用医薬品を管理することになりますが、業務内容としては問い合わせに対応するDIや学術の仕事となります。

製薬会社や医薬品卸以外にも一般用医薬品を保有しているネット通販企業などの求人もあります。

ネット通販企業がサイトで医薬品を販売する時には実際に薬局を開設しなければなりません。

薬局を開設するには、薬剤師が常駐していたり、相談カウンターを設置していたりなど厳しい条件があり、これらの条件を満たした薬局をネット通販企業は保有しています。

しかし、サイトを通じた医薬品の販売が目的であるため、薬局はなるべくお客さんが来ないような場所を選び、倉庫代わりとして使用しています。

そこで、医薬品を購入したお客さんへ情報提供やアフターケアをするのがネット通販企業に勤務する薬剤師の仕事です。

Amazonなど世界的に有名な企業が薬剤師の求人を出していることがあります。AmazonやGoogle、appleなどは誰でも一度は名前を聞いたことがある有名企業ですが、薬剤師とは無縁の存在と考えている方が多いでしょう。

Googleやappleは難しいですが、薬剤師としてAmazonに就職できる可能性があるのです。

世界的有名企業の社員になって、世界を牽引するサポートをしたいという方には良い転職先となることでしょう。

7.DI相談室(コールセンター)

製薬会社のお客様相談窓口となり、一般消費者や医療従事者からの問い合わせに電話等でお答えします。

調剤薬局のように医療現場で培った経験をそのまま活かせる場所でもあります。

【メリット】

営業時間が決まっているので残業時間が少ない。回答内容は自分のものになる。

【デメリット】

相手方の顔が見えないため、どのような背景を抱えた人から電話がかかってくるかがわからない。

メーカー窓口の代理となるため、採用基準は至って厳しい。

8.化粧品会社

薬剤師は免許があれば総括製造販売責任者に就任できるため、企業とご自身の条件等が合えばなれます。

製薬会社同様、研究・開発職、品質管理職等幅広いので、自分の能力に見合った部門を見つけましょう。

【メリット】

化粧品成分についてと医療現場とは違った薬機法の知識が得られる。部署によっては、土日祝休みなのでプライベートの計画が立てやすい。

【デメリット】

求人自体が少ないのに加え、経験を要する企業が多い。医療や臨床の知識はつかない。

9.医薬品卸の管理薬剤師

お薬を取り寄せるときに使用する医薬品卸も転職先の1つです。大手企業の名前でいうと、アルフレッサやスズケン、メディセオのような企業です。

製薬会社と違い、さまざまなメーカーの医薬品や医療機器等の取り扱いをします。医薬品等だけでなく法律に関する問い合わせも来るため、幅広く知識がつきます。

薬剤師は営業員のように支店の他職員を対象に、法律や新薬についての研修の講師も勤めます。

【メリット】

原則土日祝休みのため、休日に十分な時間を確保できる。始業時間が早いぶん、終業時間も早い。

【デメリット】

原則、一支店に管理薬剤師が1人在籍していればいいため、同僚がいなかったり、有給休暇の取得がし辛かったりする可能性がある。

求人自体が少ないため、前任者が退職するまでの時間をかなり要する可能性がある。

10.メディカルライター

メディカルライターとして一般企業に在籍、あるいはフリーランスや副業でライターとして活躍できます。

一般企業勤めの場合、先輩のアシスタントから始めます。

経験をある程度積んでから、自分自身で記事を執筆というケースもあるため、未経験者の方にも転職チャンスがあります。

文章を書いたり、何かを創造したりすることが好きな人におすすめです。

【メリット】

調べものをしながら執筆するので、知識を広げられる。企画によっては現場に取材をしに行くこともあるので、横のつながりができる可能性もある。

【デメリット】

初稿が必ずしもそのまま通るとは限らず、何度も修正を要されることも多々ある。

原稿の締切日間近は残業時間が多くなる。

まとめ

薬剤師の転職といえば病院、調剤薬局、ドラッグストアが定番です。しかし、この3つ以外にも薬剤師の力を発揮できる仕事はたくさんあるのです。

今回紹介した転職先以外にも医療論文の翻訳やライター業務など、副業から始められる仕事もたくさんあります。

多くの求人から、たくさんの選択肢を見つけたいのなら「求人数」が多い求人サイトを使うと良い職場に巡り会える確率がグッと高まります。

 

マイナビ薬剤師」・「薬キャリエージェント」など利用すれば、他の薬剤師に差が付けられます。

薬剤師の専門的な知識は調剤だけなく、いろいろな現場で必要とされているのです。自分の長所や短所、なぜ調剤薬局から転職するのか、転職は必要なのか、転職先に求める優先順位などしっかりと自己分析を行ないましょう。

自分の現状をしっかりと把握することができれば、最適な転職先が見つかります。自分に合った職場に転職できるように日頃から準備をして転職を成功させましょう。